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Staff Blog

更新日:2017.01.03

【ライン録音】~椿音楽教室~

レコーディングには、とてもとてもざっくりと分けると「マイク録音」と「ライン録音」がある。
 マイク録音は皆様のご想像通り、よく映像で見て取れるボーカリストが口元のマイクと網(正式名称は“ポップガード”という)の前に立って歌うのを録音したり、ピアニストの演奏をピアノの蓋の中にマイクを立てて録音する、というタイプの一般的な録音だ。
 「ライン」録音と言うのは、DAWで作曲したり、レコーディングエンジニアやギタリスト・ベーシストでないとあまり馴染みの無い単語かもしれない。
 マイクと違って、電気楽器からケーブルをパソコンのインターフェースに送って録音する方法だ。宅録のエレキギターやベースだとプロの現場でも基本このライン録音だとおもう。
 さて、最近では学生などでも手に入りやすくなったキーボードや電子ピアノの類いもライン録音が一般的な録音方法だ。私はつい最近、学生のキーボードレコーディングに形ばかりのエンジニアとして初めて立ち会った。その学生はレコーディング自体経験の浅い方で、私が事前連絡にて「今回はライン録音です」とメールをしたにも関わらず「マイクを借りておきます」と返信が来て、うーん、どうしたものか、と思ったのも記憶に新しい。今回は奏者も学生の方で、私も初めてのキーボード録音だったのでみんながビギナーズという楽しい現場となった。
 キーボードというだけあって、音色はプリセットから選び放題だった。ファンキーな曲に合うパーカッシヴなエレピの音色を選んでいざ配線である。今回は学生の作品なので、学校の一室を借りての録音となる。本来レコーディングスタジオはレコーディングブースと奏者ブースの二部屋に鳴っていることが多いのだが、そんな贅沢なことはできない。
 セトリはキーボードから持参したインターフェースにフォンケーブルをRLにつなげ、それをDAWソフトのCubaseにオーディオとして送り込む。奏者やディレクターへのモニターは、インターフェースのアウトを録音現場のスタジオにあったミキサーにつなげ、そのミキサーにつながっているスピーカーへと音を送る。これで録音をしつつも録り音とバックオケを聞くことが出来る構造になった。
 今回のライン録音で一番便利だなと思ったのは、キーボードの音だけを拾うので周囲がどれだけ物音を立てたりしてもそれが録り音に紛れ込まない点だ。それこそ、(本当はいけないのだが)私たちが演奏中にどれだけ声を上げても録音にはなんら支障がない。だからこそスタジオが一部屋敷かないのにモニターをスピーカーから出せるのだ。
 私は無駄に一言一言声を上げてしまう性格なので、ライン録音は本当にありがたい。