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Staff Blog

更新日:2010.01.02

【想像力の大切さ】 ~椿音楽教室~

 なぜ同じ楽器を使っても、演奏する人によって違った雰囲気に感じるのか。ピアノなどの鍵盤楽器はまだましだけど、吹管楽器の場合だったらなおさらだ。なぜかというと、ピアノの場合は、指で押してさえいれば音が出るし、基本的な運指さえわかれば誰でも簡単な曲は弾くことができる。といっても、ピアニストになるのはそう容易ではないが、キーボードは比較的習いやすいというのは事実だから。しかし、吹管楽器の場合は、指の置き方を暗記することだけでは足りなく、どうすれば息を注ぎながら曲通り指でキーを押すのかを習わなければならない。私は、フルート奏者の演奏を聴く時、それぞれ奏者の性格や曲にたいする解釈に集中する。正しい音符を演奏しているかどうかにあまりにも気持ちを持って行き過ぎて、感情抜きの演奏になると、たとえ素人の観客でもすぐわかってしまう。
楽器を通じて、自分が伝えたい気持ちと作曲家が聴いている人に感じてほしい気持ちをうまく表現できるかどうかはあなたの想像力次第だ。 
  私の専攻はフルートなので、例としてフルートの名曲、モーツルトのフルート協奏曲ニ長調K314とモリコーネのガブリエルのオーボエを古典派と現代曲の代表を選んで想像力の働きを説明しようと思う。
モーツルトが生活していた時代は王政制度、貴族に統治されていた。そして、このコンチェルトはモーツルトが貴族から作曲の依頼で作曲したものなので、気苦労のない、上品で楽しい毎日を送っている貴族の生活を想像しながら演奏しようと思う。例えば、第一楽章の設定は庭での遊び、子供立ちが蝶と遊んだり、マダムたちがお茶を飲みながら優雅に話したりする。それをフルートで表現するのに、明るいトーンで、できるだけ軽くタンギングは必要だ。第三楽章の冒頭はもっとも重要なフレーズで、少しエレガントな感じ、それを表わすため18世紀の宮殿で王様に敬意を表すためのお辞儀をする様子を想像してみよう。
  一方、ガブリエルのオーボエは映画のテーマソングのため少し複雑で想像しつらいかもしれない。テクニック的には易しいわりに感情表現が一層難しくなる。とりあえず、この曲のキーポイントは暖かさと優しさ。それを伝えるため、広い平野なり絶景の崖なりイメージするのはどうだろうか。そして、この曲の最高潮、一番高い音程を吹く時、山の頂点にたどり着いたように想像してみてほしい。
  ちなみに、想像力を伸ばすことにともなって、演奏する時体も曲にのせて自然に動きを始めて、さらに観客に演奏を楽しんでもらえる。