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Staff Blog

更新日:2016.10.17

【私と音楽 第九話 オーボエ講師のつぶやき】 ~椿音楽教室~

前回の続きから始めようと思います。
前回は表現力について書いていたのですが、そういえばもっと面白いエピソードを思い出したので書きたいと思います。
ある日のレッスン。その日は、Orchester probespiel(一般的に日本ではオケスタと呼ばれていて、ドイツのオーケストラのオーディションはほとんどこの中の曲から出題されます。日本の事はよく分からないんで何とも言えないんですが、多分日本もそうだと思います。。。)という本があるんですが、その中の1曲、ベートーベンのシンフォニー3番 2楽章を吹いたんですね。
この二楽章というのは楽譜にMarcia funebre(葬送行進曲)と記載があるようにとても悲しい曲のはずなんです。
が、私が吹くと、あなたが吹くと長調のマーチのように聞こえる!!と先生に言われて
もう私、笑うしかない。先生が手本として吹いてくれたんですが、私とは全然違う。先生が吹くと目の前を黒い服を着たひとの列が歩いているのが想像出来るんです。小さい間の取り方だけでも音楽って変わってくるんですよね。勉強になりました。

あと、1つ先生が言われて印象にのこっていることは!ある日、あなたは好きな人がいる?恋人はいる?と真剣に聞いてきて、しまいには、恋をしなさい。恋愛をしなさい!と言われたんです。言われた当時は18歳だったので、なぜ恋、恋愛が音楽にとって大切なのだろうと思っていました。私がいたハンブルク音楽院のコースには年上のお姉さんお兄さんばかりだったんですが、彼らにも恋愛すると音楽は変わるんだよ。楽しみだね。とかわけの分からないことを言われて長い間分からずにいたんです。
が、しかしそれから4年後ぐらい私もようやくその意味が分かったんです。
それは私がドイツの音楽大学に入学してからの事。その当時、ドイツ語を勉強したくてドイツ語を教えてくれるかつ、日本語に興味があるひとを大学で探していたんです。ドイツでは一般的にタンデムパートナーと言ってお互いの母国語を教えあいます。
その時に出会ったのが、M君でした。だんだんお互い語学の勉強を重ねるうちにお付き合いをするようになったんです。
最終的に別れる事になってしまったのですが、そのときの私は初めての大失恋という感じで毎日泣いており、オーボエの教授も心配してくれるほどだったんです。タイミングがものすごく悪くて、あと1週間後はオーボエの中間試験。
さあどうなる。。次回に続く~