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Staff Blog

更新日:2016.11.02

【指揮のレッスンって何?】 ~椿音楽教室~

指揮を学び、現場に携わってかなりの年月が経ちますが、私は指揮そのものについては「いまだによくわかっていない」です(苦笑)。
むしろ「ますますわからなくなってきた」と申し上げた方が良いでしょうか。

ただ、音楽教室で教えることで、主要なものになってくる指揮のテクニックは、「表現を伝えるための手段」として大切、ということは言えると思います。
そして、テクニックという「引き出し」は、ある程度数が備わっているにこしたことはない、ということも言えます。

指揮の基礎から始めるレッスンの最初は、他の専攻にも通じる基本的なことで、「脱力」と「呼吸」なのですね。
ですから、レッスンの最初は体操をするみたいな感じなのです。
でも特に「脱力」には時間がかかる場合が多い。
「振り方」を始めると途端に力が入ってしまって、また元に戻る、ということが多いからです。

そんな感じなので、最初はなかなか曲に入れず、退屈、単調に感じられる方も多いのではないか、と思います。
でも、楽器にしても声楽にしても、基礎練習が大事なように、指揮もここを地道にやらないと次に進むことは難しいのです。

そして、指揮のこういった基礎的なトレーニングは、勿論「一回ないしは数回」のレッスンですべてを身につけられるわけではありません。また「間隔を過度に空ける」ということもプラスにははたらきません。
その意味においては、これも声楽や器楽と何ら変わりないのです。
ですから、いらした生徒さんには、無理のない程度で、しかし定期的・継続的にレッスンを受けられることをお奨めしています。

因みに、指揮のレッスンは、ある程度テクニックが身についてきたら、「指揮の先生がピアノで、課題ないしは生徒さんから持ち込まれた楽曲を弾き、それを生徒さんが指揮する」という風に展開していきます。

しかし、指揮を習いに来る方は様々な動機をお持ちで、
「いきなり学校の合唱祭で指揮しなければならなくなった。来月にそれがある」
「楽団を指導していて、自分の言葉で雰囲気がまずくなった」
などといった「飛び込み・単発」の方が割と多いのも事実です。

前者のような例の場合には、一から教えていると時間がないので、ポイントを絞って、生徒さんのご要望に沿って対応させていただいておりますし、後者の場合は、状況をお伺いして、メンバーへの接し方や言葉遣い、現場でのポイントなどを、適宜お答えするようにしています。

私の教え方の特徴としては、「生徒さん自身に、ご自身の良かったところと悪かったところを考えてもらい、言ってもらう」ということでしょうか。
先生が答えを出すのは簡単ですが、生徒さん自身にも考えてほしいからです。
そして「いいところ」を言っていただくことで、「自身に対しての正当な自信を少しずつ育てる」ようになってほしいから、ということもあります。
いわゆる「ダメだし」ばかりする先生は多くいますが(苦笑)、私はそういう教え方は採りません。

一方、音大を目指す方には、指揮の技術だけにとどまらず、難しい言葉になってしまいますが、和声法、ソルフェージュ、楽典、スコア・リーディングといったことを並行して勉強していただくことになります。

生徒さんが上達したら、教室で他の先生にもお願いして、ピアノ二台、あるいは弦楽器を使ってのオーケストラ曲のレッスンなどができれば、と思っております。

目下のところ、テクニック中心のレッスンであることは否定しません。
しかし、最終的には「感じ伝えるこころ」が大切なのだと私は思っています。
そしてそれを生徒さんも大切にしてくださることを私は望んでいます。