今すぐ無料体験 電話で体験予約
Staff Blog

更新日:2016.10.14

【録音と生演奏の違い ピアノ講師のつぶやき】 ~椿音楽教室~

こんにちは!
今回は録音と生演奏の違いについて感じたことを書いていこうと思います。最後までお読みいただけると嬉しいです!
みなさんは、クラシック音楽をどのような環境でお聴きになることが多いですか?やはり生演奏でしか接しないという方は相当稀だと思います。むしろ、CDやその他の録音媒体でクラシック音楽に接し、そこから生演奏へ足を運ぶというパターンが多いのではないでしょうか。そして、そこで録音と生演奏の聴こえ方の違いに驚くと思います。その違いは一体何によって生み出されているのでしょうか。
まず、CDは生演奏から最も遠いものだということを押さえておかなければなりません。実は、録音では録りきることのできない音というのが現実にはあり、様々な音色をカットしています。それは全ての録音媒体で行われており、その中でもCDが1番カットする音色の種類が多いのです。それに比べてレコードなどは比較的生演奏に近く、最近ではハイレゾ録音という新技術も出てきています。まず、その部分が録音と生演奏の違いを大きく生み出すものと言えるでしょう。
もう1つは、いわゆる「ライブ感」でしょう。CDでは、何度も撮り直すことができ、気に入らないところや間違ったところは編集により変えることができます。そのようなCDの録音環境では、音楽に取り組むスタンスも少し変わってくると思います。生演奏ではそうはいきません。一回きりの演奏で、間違いも全て即座に観客に伝わります。その点とても緊張感があり、リスクも高いのですが、素晴らしい音色や微妙なニュアンスの違いも同じように即座に伝わり、その点で生演奏は録音より優れているといえるでしょう。
そのような、違った魅力のある録音と生演奏。当然どちらかを選ぶピアニストも出てきます。かの有名なグレングールドは、生演奏での演奏スタンスに疑問を抱き、完全に生演奏をドロップアウトしました。そして、録音スタジオにこもりきり、編集をふんだんに使ってでも自分の理想の音楽を追求しようとしました。逆に、指揮者のチェリビダッケは、生でのホールの反響などを利用して、理想の響きを出そうとした人で、録音には断固反対でした。彼の録音は彼の死後発売されましたが、極端に遅いテンポをとったその演奏は様々な反響を持って迎えられました。しかし、生で彼の演奏を聴いた人の話によると、CDで感じるようなテンポの遅さは印象になく、今まで聴いたことのない響きを紡いでおり、それはある種宗教的な雰囲気をも持っていたと言います。
録音と生演奏。違いは沢山ありますが、どちらにも魅力を感じますね。みなさんはどちらがお好きですか??