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Staff Blog

更新日:2016.10.14

【アメリカ人ピアニストの特徴】 ~椿音楽教室~

こんにちは!
今回は、音楽の聖地ヨーロッパではなく、偉大なピアニストの宝庫であるロシアでもなく、アメリカについて取り上げたいと思います。最後までお読みいただけるとうれしいです!
アメリカ人ピアニストと聞くと皆さん誰を思い出しますか??もっとも有名な人物は、あのヴァン・クライヴァ-ンですね!彼は第一回のチャイコフスキー国際ピアノコンクールで優勝した人物です。当時、アメリカとロシアは冷戦状態にあり、宇宙開発や経済、またチェスに至るまでも熾烈な争いを繰り広げていました。もちろん、音楽とて例外ではありません。このチャイコフスキー国際音楽コンクールはロシアの威信をかけ開催しましたが、ふたを開けてみるとクライヴァーンの圧倒的な優勝という結果に。とうぜん、クライヴァーンが祖国アメリカで英雄として、どれだけ讃えられたかは想像にたやすいでしょう。このあと、クライヴァーンは過密な演奏スケジュールに精神をすり減らし舞台の第一線からは退きましたが、かれがアメリカ人ピアニストの顔であることは誰もが認めることでしょう。そのほかに挙げるなら、ギャリック・オールソンでしょう。彼はショパン国際ピアノコンクールというピアノコンクールの最高峰で見事優勝を果たしました。がしかし、最近その他の優勝者(マルタ・アルゲリッチ、クリスティアン・ツィメルマンなど)と比べると、なかなか表立った活動は聞こえてきません。
話を元に戻しましょう。アメリカ人ピアニストときいて、実は有名な人といえばこの二人くらいなのです。ほかにも数人はいますが、ヨーロッパに比べると格段に少ないといえます。いったいなぜなのでしょう。
ひとつ考えられる理由としては、アメリカの歴史自体が浅いことが挙げられると思います。やはり、その母国で偉大な作曲家が生まれたヨーロッパ人からしてみると、クラシック音楽に対する親近感の面ですでに差があるでしょう。
しかし、面白いことに、アメリカ国内のピアノのレベル自体は、実は圧倒的に高いという、面白い現象が起きています。その理由は単純で、冷戦時代ソ連のピアニストたちの多くはアメリカに亡命しました。あの、ラフマニノフやホロヴィッツたちもアメリカの地で一生を終えているのです。その流れから、アメリカには優秀なピアニストが続々と集まるようになりました。なので純粋なアメリカ人ピアニストは少なく、アメリカ国内のピアノレベルは高いという一見矛盾した現象が起きているのです。しかし、それも芸術にかかわるひとつの国の形としてすばらしいものだと思います。さすがは、自由の国アメリカですね!