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Staff Blog

更新日:2016.11.09

【僕の好きなピアニストその1】 ~椿音楽教室~

皆さんはご存知ですか?タチアナ・ニコラエワというピアニスト。彼女は20世紀中盤に活躍した女流ピアニストです。僕のもっとも尊敬するピアニストの1人なので、彼女について書きたいと思います。
彼女はベジッツァという旧ソヴィエト連邦で生まれました。彼女はモスクワ音楽院で学びましたが、そのときついていたゴールデンヴァイザーという先生は、ロシアンピアニズムのゴールデンヴァイザー派の祖であり彼女は、その血筋を脈々と受け継いでいると言われています。彼女の得意なレパートリーは何と言ってもJ.Sバッハの作品でしょう。彼女の名盤の1つに「平均律クラヴィーア曲集」の録音があります。彼女は常々「バッハだって人間だったのよ。だから私は学問的なバッハよりも、人間的なドラマティックなバッハに賛成するわ」といっていました。その言葉の通り、彼女のバッハ演奏はドラマティックそのものです。その演奏を異端という人も時にはいますが、私は彼女のファンタジー溢れる演奏に惹かれます。
もう1人挙げたい人がいます。ウラディミール・ソフロニツキーです。かれは伝説中の伝説、ピアニストの歴史上燦然と輝く人物です。彼はニコライ・ルービンシュタインの孫弟子で、ペトログラード音楽院で学びました。そこでの同級生はなんとショスタコーヴィチ!!今では考えられないくらいの豪華さですね。かれのレパートリーでもっとも多くを占める作曲家はスクリャービンです。いまも録音で彼の演奏を耳にすることは出来ますが、その演奏と言ったら魔術的としか言いようがありません。かれは、スクリャービンの長女と結婚しており、スクリャービンの未亡人にもその演奏を絶賛されるなど、スクリャービン弾きとして最高の権威と言っても良いでしょう。面白いエピソードがあります。20世紀最大のピアニストと言われているリヒテルが、ソフロニツキーと食事をすることになりました。その2人が並んでいる姿、想像するだけでわくわくしますね!
そこで、リヒテルの演奏を聴いていたソフロニツキーは、「天才に乾杯」と、リヒテルを讃えました。するとリヒテルはこう返しました。「神に乾杯」と。ソフロニツキーの演奏がどれほど素晴らしいものであったかを示す1つのエピソードですね。是非とも、生で体験してみたかったものです。きっと、想像を絶するものであったに違いありません。
お読みくださりありがとうございました!