【職業作曲家の道を選んで①】～椿音楽教室～

新人作曲家である私の周りには、音楽業界の最先端をかけぬける一流作曲家がごまんといらっしゃる。その技術、人柄、そしてコネと精神力、そのすべてを兼ね備えたプロの方々の考え方やお話、そして実際の楽曲を聴くと学ぶことがとても多い。
　だが、独学かそうでないかを問わず作曲の勉強をしている者にとって現役の職業作曲家やアーティストと直に触れ合う機会などそうそうないだろう。楽曲制作には企業秘密などが関わって来たり、基本職業作曲家はハードスケジュールをこなす方も多い関係で、ネットなどを調べても情報が手に入らない現状もある。
　そんな職業作曲家の現状・内情や現役作曲家の生の声を集めて編纂したのが、リットーミュージック社から出版されている「プロ直伝！　職業作曲家への道」という本だ。監修は、日本国内で類を見ない新しい職業作曲家のためのセミナー“山口ゼミ”というゼミを主催している山口哲一氏である。私自身、まだ“山口ゼミ”には参加していないのだが、今回この書籍を読んだので紹介をする。
　この本のコンセプトは、プロの職業作曲家を目指す人たちの為のガイドブックということになっている。普段ならあまり聴くことの出来ない現役職業作曲家の曲作り環境や、プロとして活躍することとなったきっかけ、曲作りや仕事の心得、そして作曲家を目指す読者へのアドバイスなどが掲載されている。