【ライブの裏方業務②】～椿音楽教室～

なので、サウンドチェックは少しでも不備があってはいけないため、予定よりも時間が遅れてしまうのが常だ。リハがスケジュール通りに進むよう、演目ごとの終了時間の合図をし、仮に時間が押した分はスケジュールのレールに戻れるように合図をする。本番にトラブルにならぬよう細部まで疑問点は突き詰める舞台屋と、転換で誰が動くかをすり合わせるセッティング係と、次々と迫ってくる演目に休みなく緊張のリハーサルをする演者と、そして過ぎていく時間と、全ての様子を見ながら合図を出すのは並大抵の所業ではない。身をもってそれを経験するまでは考えもしていなかった。ライブの裏方の方々には大変恐れ入る。
　ライブの運営に長らく関わっている方の談によると、ライブは演者よりも、運営が1番忙しいという。なるほどこの分量ならばとても納得である。
　ライブ自体は無事に終了し、本番まで半年間も準備をしてきたという演者たちはとても晴れやかな様子だった。スポットライトには当たらないものの、1番忙しいライブの裏方をやる方達は、きっと無事にライブをできた演者の晴れやかな顔を見るために、今日も仕事をこなしているのだろう。