更新日:2016.05.30
【作曲家視点の映画レビュー「シン・ゴジラ」②】~椿音楽教室~
映画館の座席に座って、まずオープニングに度肝を抜かれた。タイトルロゴとともにゴジラを象徴するあのテーマがモノラル音声で流れたのだ。庵野監督の粋な計らいなのか、伊福部昭氏が当時作曲し、録音したマスター音源をそのまま使用していたのである。これはゴジラ世代の方々も興奮を覚えただろう。
ここで私が声高に訴えたいのは、氏は2006年に息を引き取った故人であると言う点だ。
生きている間に名を名を刻みたいのが人のさがだろう、しかし、死した後もこうしてクレジットに名を連ねられる人物は果たして現代に何人いるだろうか。こと作曲家にいたっては生きてるうちに名を残すことすら高いハードルだ。
自分の楽曲が死してもなお利用される、これぞ作曲家冥利につきる。生半可な覚悟ではなしとげられない最大級の栄誉である。
氏がもし生きておられたなら、「シン・ゴジラ」を見た時どう感じるだろう。もしかしたら、自身の作った音楽のことを思う以上に、二転三転する物語に度肝を抜かれる可能性もあるかもしれないが……。
とにもかくにも、音楽関係者としても「シン・ゴジラ」は是非とも押さえておきたい映画である。劇場上映を見逃した方は近いうちに出るであろうDVDを是非チェック! である。
