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Staff Blog

更新日:2016.04.01

【パクリの冥利①】~椿音楽教室~

少しだけ昔の話をしようと思う。
 私が卒業した高校では、高一と高二の二回、クラス対抗校内合唱コンクールがある。優秀な組は一位、二位までが全校生徒の前で披露できるという(三位以下は存在しない)特典付きの一世一代のコンクールだ。校内のイベントだと言うのになぜかみなこの行事に燃えている。
 どういう経緯かは私も覚えてはいないが、一年生のときに合唱コンでの編曲を頼まれて、私は二つ返事でそれを受けたのだ。当時吹奏楽部に所属しており合唱の編曲は一度として行ったことは無かったのだが、小中学生の時の音楽の先生がとても素晴らしいピアニストであり編曲家でもあったため、その影響ゆえか編曲にあまり困らなかったことは覚えている。
 自由曲を編曲している時、二番は一番と同じ旋律をなぞっても仕方なかろう、と対位法的編曲をしようと考えていたのだが、このとき私の全身に雷が落ちた。神の啓示と言うのだろうか、自分自身ですんばらしい! ……と思ってしまうような最強の対旋律が出来上がったのだ。端から見ると気持ち悪いのだが六年経った今でもあれほどの編曲は思い浮かばないので相当手応えが会ったのは確かだ。
 これで合唱コンの一位も我らのものだ! と息巻いてその編曲で練習もし、クラスのメンバーからも素晴らしいと絶賛されて内心むふふと手応えを感じていた。そして本番は、なんと一位……のはずが、二年生のクラスの一位が私たちと全く同じ選曲だったという理由のために(本来なら存在しないはずの)三位になってしまった。