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Staff Blog

更新日:2016.04.02

【パクリの冥利②】~椿音楽教室~

だが、本題はそこではない。
 問題は私が高校三年生となったとき、前述した一位、二位の優秀組の合唱の発表会に出席したのだが、その年も一位は礼の三位になった時と同じ選曲だった。
 なんと、歌の二番の対旋律が全く同じようにパクられている。
 いや、合唱コン用に私が組み直した曲全体の構成もパクられている。
 これには私よりも、「これどーすんのパクられてるよ!」と当時私と同じクラスだったメンバーからかなりの不満の声が上がったようだ。一瞬どこから漏れたのかと疑問に思ったが、合唱コンに参加する学年は過去の先輩たちの記録を見られる。恐らく私の編曲したバージョンを耳コピしたのだろう。
 ここで私が思ったのは二つ。まず一つ。やはりこの編曲は誰かにパクりたいと思わせるほどの快心の出来であったということ。そしてそれが全校生徒の前で証明されたという喜び。
 そして、二つ目。私は当時本気で編曲に取りかかっていた。身を削って作ったと言っても過言ではない。校内の合唱コンという限定的なイベントではあるものの、はやりそういう場でもやはり許可も無く編曲をパクられるのは気持ちがよくないと言うことだ。私はまだ卒業もしていなかったし、編曲者を特定しようと思えば出来たはずである。
 誰かにパクられれば冥利に尽きる、という言葉は各所で聞くしそれはその通りだと思うが。うーむ。クリエイターというのはいつもこういう複雑な感情との板挟みだろう。
 みなさんも、権利関係はどんな小さなことでもおろそかにしない方がきっといいだろう。それは多分、作る側と使う側の気持ちの問題だ。