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Staff Blog

更新日:2016.05.12

【蒙古音楽③】~椿音楽教室~

ちょうどその時地平線から太陽が昇った。生まれてはじめて見る光景である。
あまりの壮大な美しさに感動した大将は、その弦に触れたが、同時に言葉もその音に合わせてほとばしり出た。
蒙古の最初の歌がこの時に生まれたのである。 その後彼はこの馬頭琴を持って各地を遍歴して歩き壮大な日の出について、彼の死んだ愛馬について、もう帰れない遠い星の世界について、それから失われた恋について歌った。人々は彼の周りに集まり、真似をして馬頭琴を作り、それを弾いて歌う事を始めた。
さてこの馬頭琴は今日でも蒙古人にもっとも愛されている楽器で、二弦である。形はいわゆる胡弓を大きくしたもので、違うところは棹の先に馬の頭が彫刻してあることと、四角な胴に馬の皮が貼ってあることである。
馬のしっぽの毛の弓で弾く。弾くときはチェロのように立てて構える。
その音色はチェロのそれに似ているが、丸みと甘さはなく音量はずっと少ない。大体においてゆっくりしたテンポの曲に使う。厳しい野性的な音を立て、むせぶがごとく、訴えるがごとく渋い旋律を歌い、時にはまことに荘重な響きとなる。