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Staff Blog

更新日:2017.01.06

【作曲家視点の映画レビュー「鍵泥棒のメソッド」】~椿音楽教室~

2012年の映画なのだが、内田けんじ氏監督映画「鍵泥棒のメソッド」をブルーレイの録画で最近やっと見ることが出来た。内容は私好みでとても素晴らしく、片時も目を離せないハラハラの展開が続く。

(以下若干映画の内容に触れます。)

 映画の中で特に「目を惹く」ならぬ「耳を惹く」のは、劇中に流れる弦楽四重奏だ。最初は映画の冒頭、そして次に流れてくるのは映画の核心の後半部分だ。劇中でキャストがタイトルを明かすのだが、実はこの弦楽四重奏、ベートーヴェンの作曲で、数ある四重奏の中の14番の冒頭が流れるのである。
対位法的な導入をしており、最初に1stヴァイオリンがソロを弾き、その後に2nd、ヴィオラ、チェロと順番に旋律を弾いて行くフーガ形式だ。映画の伏線になるものの映画の核心とまでは行かないこの曲が、一時間半のこの映画の全てをかっさらってしまうのではないか、と言うほど印象的である。