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Staff Blog

更新日:2016.08.16

【ボーカロイドの声】~椿音楽教室~

アニメや漫画が好きな友達何人かとカラオケに行くと、その中には必ず、一人くらいボーカロイドの曲を歌う人がいる。歌番組のランキングなどを見ていても、ボカロ関連の曲が上位に食い込んでいることがある。要はそれだけ世の中に受け入れられていて、人気もあるということなのだけれど、私はやっぱり、人の声で歌われている曲が好きだ。

人の歌声は千差万別だ。男女や年齢による違いはもちろん、食べているものやその日の体調、そのときの場の雰囲気などによっても、微妙に変わってくる。お酒やタバコを習慣にしている人は、していない人よりも確実に声が掠れているだろうし、好きな人の前だと緊張して上擦ってしまうということもある。男女の関係を扱った歌と、聞いた人を元気づける応援ソングでは、絶対に歌い方に違いがあるはずだ。

置かれている状況、心の中で考えていること、歌い手を取り巻くすべてのことが、歌い方に反映されてくる。そういう意味では、同じ人が同じ曲を歌うとしても、一回一回が微妙に違う「一点もの」になっていくわけだ。聞き手は、その時その時で生まれてくる小さな変化を感じ取って、感動したり、イラっとしたりする。直接言葉を交わしていなくても、そこには交流が生まれる。これが、ボーカロイドにはない人の声の魅力だと思う。

人の歌声を特徴づける要素は無数にある。単に音感がよくて澄んだ声の人が歌っても、いい歌になるかどうかはわからない。ボイストレーニングや専門的な音楽の勉強をしていなくても、心に響く歌を歌う人はいる。

そして聞き手の方も、同じ曲を聴いていたとしても好きになる部分は違ってくる。ある人は綺麗なビブラートにうっとりするのかもしれないし、別の人は息継ぎの色っぽさにどきりとするのかもしれない。

伝える方も受け取る方も、10人いれば10人の方法があって、全く同じ方法は二つとない。そんな唯一無二の関係性ができあがるからこそ、私は生身の人間の歌声が大好きなのだ。