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Staff Blog

更新日:2020.12.14

【あるサラリーマンのつぶやき①】

私は、曲を聴いたり歌を歌ったりするのは好きだけれど、楽器の演奏には、あまりいい思い出がない。

小学校では、リコーダーや鍵盤ハーモニカの演奏をする機会が多い。音符を見ただけでどの音かわかるほど器用ではなかったので、課題曲の楽譜を渡されたらまず、カタカナでドレミを書き込んでいた。
それだけでも結構な手間だったのに、いざ演奏の練習に入ると、思う通りの音が出せない。先生からダメ出しをくらいながら、できるまで何度でも繰り返す。居残りをさせられることもあった。

そういう一つ一つのことがとにかく煩わしくて、いつの間にか楽器そのものに苦手意識を持ってしまったのだと思う。楽器嫌いは中学、高校と進んでも改善されず、できる限り楽器には近づかないようにしていた。

学校の音楽の授業でさえそんなことを思っていたので、吹奏楽部に入っている同級生に対しては、「すごく大変そうだなあ」という感想しか抱けなかった。毎日毎日楽器を触らなければならないなんて、考えただけでぐったりする。本当に楽器が好きで、あとは多分、指先がものすごく器用な人だけが頑張れるのだろう。そう思っていた。

今思い返してみるとずいぶんひねくれた考え方をしていたと思うし、楽器への苦手意識は完全になくなったわけではない。でも今は、楽器演奏に対する思いが少し変わってきていると感じる。

最近、楽器の演奏をテーマにしたドラマや映画、ドキュメンタリーをよく見る。心を大きく揺り動かされるからだ。そこには、うまく演奏できなくて四苦八苦しながら、一生懸命その壁を乗り越えていく姿が描かれている。私が面倒臭がって避けていたことに、真正面から取り組む人々がたくさん出てくる。そういうものを見ていると「ああ、大変なのはみんな同じで、最初から上手い人なんかいないんだよなあ」と実感する。

そんな、よく考えれば当たり前のことを思っている時に聴く楽器の演奏は、じんと心に染み入る。演奏してみたい。そう思えてくる。学生時代の私には思いもよらなかったことだ。

これからも、私の楽器への興味は大きくなっていくだろう。