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Staff Blog

更新日:2016.11.08

【いい音って何だろう】 ~椿音楽教室~

皆さんこんにちは!
今回はピアノの「いい音」とは具体的に何かを皆さんと一緒に考えていきたい思います。最後までお読みいただければ嬉しいです!
「いい音」って一体何でしょう。たとえばレッスンで先生に教えてもらうとき、「もっといい音で弾いて!」と注意されたことが一度もない人はいないと思います。やはり、どんなに気持ちを込めて弾いていても、音が汚なければ、確かに台無しになってしまうでしょう。きたない音が不快に思えるのなら、反対にきれいな音というものが必ず存在するはずです。しかし、「きれいな音」と「いい音」を同等のものとして考えていいのでしょうか。たとえば、あるコンクールを聴きに行ったとします。みんなよく練習してあり、いわゆる汚い音で演奏する人は一人もいません。しかし、その中でも明らかに音の質の差があることは間違いありません。やはり、きれいであればいい音だというイコールは成り立たなさそうです。
いい音とは何か。きれいな音と一線を画すものとはなんなのか。僕なりの考えを書かせていただきます。
まず一つ挙げられるのは、音の純度です。ピアノという楽器は鍵盤を押しハンマーで弦を叩き音を出しています。実は、その行為自体かなりの雑音を発生させているのです。普段演奏しているだけではなかなか気づくことはないのですが、明らかに「ピアノの音色」以外の何かが発生しています。これらの雑音を「下部雑音」と言います。良質な音を目指す一つの方向性として、この「下部雑音」をへらす努力というのはとても大事なのではないでしょうか。その方法として簡単にあげられるものとしては、鍵盤の近くから打鍵をするということです。なぜなら、指を高くあげて弾けば弾くほど、鍵盤と指がぶつかったときの衝撃は大きくなり、そこでも雑音が発生する危険性があるからなのです。
もう一つ、「いい音」の定義を考えるときに大切なのは、その定義は「きれいな音」の延長線上にあるのかを疑うことではないでしょうか。たとえば、ここに心からの嘆きを表現したパッセージがあるとします。そのパッセージにふさわしいいい音とは「きれいな音」なのでしょうか。むしろ、悲鳴をあげるがごとく、痛々しい音で弾いたほうが音楽的に適っているのではないでしょうか。つまり、何が言いたいかというと、「いい音とはその音楽が求める感情に付随したものでなければならないのではないか」ということです。
まだまだいい音の定義は沢山ありそうです。その答えは分からないかもしれませんが、少なくとも自分が信じる自分だけの「いい音」を探していきたいです