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Staff Blog

更新日:2016.11.10

【僕の好きなピアニストその3】 ~椿音楽教室~

こんにちは。今回私がご紹介したいピアニストはマルタ・アルゲリッチです。アルゲリッチのことをご存じない方は、ほとんどいらっしゃらないとおもいます!言わずもがな、現代最高の女流ピアニストですね!彼女の指は機関銃のごとく動き、鍵盤をとてつもないスピードで駆け回ったかと思えば、その次はピアノの上で光り輝くビーズが踊っているような演奏をする。彼女の演奏に憧れたことのないピアニストは恐らくいないと思います。
彼女はアルゼンチンのブエノスアイレスでうまれました。スカラムッツァ(バレンボイムやブルーノ=レオナルド・ゲルバーの師でもあります)という伝説の名教師に師事をし、そしてフリードリッヒ・グルダにも習いました。彼女の演奏は、ラテン系独特の強烈なリズム感に裏打ちされ、あまりにも女性的な繊細な感情がもたらす歌心に溢れています。彼女を超える女流ピアニストはおそらく今も、そしてこれからも出てこないのではないでしょうか。
彼女は、ひどく繊細で気分屋な人で、よく演奏会の始まる五分前の楽屋で、「今日は私は弾かない。演奏会はキャンセルする!」と、駄々をこねることがしょっちゅうだそうです。もっとひどい時には、あまりの弾きたくない衝動にかられて、ナイフで自分の指を切ったなんてこともあったそうです。
彼女はショパンコンクールの覇者でもありますが、その前年はピアノを弾く意味を見出せず、一年間テレビを見て過ごしていたそうです。彼女ほどの才能がありながら、何故そういう行動をとるのか、それは凡人の私にはわからないことですね。しかも、そのブランクがありながら、ショパンコンクールを制覇するなんて、奇跡を通り越して悪夢と言えるでしょう笑
彼女の逸話は話したらきりがありません。たとえば、友人が弾いていたプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を寝ている間に聴いていて、起きたら弾けるようになっていただとか、あの自尊心の強いホロヴィッツに「君はNo.1だ!!」と言われたりだとか。彼女がいかに天才的かわかるエピソードばかりです。
彼女のレパートリーは幅広くどれも本当にすばらしいですが、意外と知られていないのは、アルゲリッチのバッハの演奏が最高と言っても過言ではないことです。彼女の自由奔放な演奏スタイルと、バッハの鉄筋コンクリートも歯が立たないような頑丈な構造が化学反応を起こし、とても調和のとれた形で、エキセントリックなバッハが展開されていくのです。アルゲリッチのバッハは、他の曲に比べて録音の数は少ないですが、是非みなさん聞いてみてください!!
お読みくださりありがとうございました!