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Staff Blog

更新日:2016.11.21

【ホールで座る席の位置】 ~椿音楽教室~

こんにちは!!今回はコンサートに行った時に座る席の位置について考えたことを書いていこうと思っています!最後までお読みいただけると嬉しいです!

みなさんはコンサートに行かれた時、どこに座りますか??特にこだわりがない人もいれば、いつも決まった場所に座っている人も居るでしょう。例えばピアノなら、手が見える位置が良いという人はおそらく舞台から見て右側に座ることを好むでしょう。大きいホールでは、音が聴こえにくいと思い前の方に座る方もいらっしゃるかもしれません。もしかしたら、憧れのあの人の演奏を聴くことはもちろん、弾き姿を見たいがために1番前に座る人も居るでしょう。
実はホールでの座る位置とは、その奏者がどんな音を出すかによって変わってくるのです。もし、ピアノに音量を調節できるつまみのようなものが付いていて、それでどれほどでも大きくできるのなら、ホールの後ろまで誰もが音を飛ばすことができるでしょう。しかし、現実に与えられたピアノの音量は限られており、無理に大きな音を出そうとしても、逆に叩きつけてしまい音がこもってしまいます。おそらく、前の方に座っている人たちはそのような音量の問題を気にして後ろの方に座るのをためらっているのかもしれません。しかし、ピアニストによっては、なんと後ろのほうが音が良く聴こえることさえあるのです!私が、あるピアニストを聴きに行った時の話です。彼女の演奏にとても憧れていた私はS席(そこでは一階の10列目位でした)のチケットを購入し、そこに座りました。彼女が登場し、1音目を弾き始めた時、私は驚きました。音が自分の頭上を越えて飛んで行ってしまうように聴こえたのです。前半、終始その違和感に苛まれた私は後半、三回席の最後列に座っていた友人に席を交換してもらいました。そして、後半の第一音目。その音はとてもとても小さなPPから始まる曲でした。しかしどうでしょう。その音はPPにも関わらず、自分の目の前に飛んできたのです。三回席の真後ろでそのような経験をしたのは初めてのことでした。彼女は、ピアノを理想的に響かせることができる人でした。その他にも、例えばミハイル・プレトニョフでも同じような経験をしました。しかし、同じように世界的なピアニストでも、全く後ろに音が飛んでこない人もいました。つまり、楽器を理想的に響かせる人ほど音を遠くに飛ばすことができ、それは音量の強弱とは関係ないということを、学んだのです。
もちろん、生の演奏ですから奏者の音がどのような響き方をするのかは、演奏が始まるまでわかりません。しかし、その奏者がどんな美しい響きを出すかを想像しながら席選びをすることは、なかなか楽しいことかもしれません。そして、座った席で理想通りの響きが聴こえて来たら、この上なく幸せですね。