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Staff Blog

更新日:2016.11.21

【練習用教材〜中級者のための〜】 ~椿音楽教室~

中級者というとどれくらいのレベルを指すのか、まず定義しなければいけないと思います。当然、ハノンやツェルニー30番辺りは一通りやっていると思います。例えば、ショパンの革命を弾いたことがある!!リストのラ・カンパネラをなんとなくなら弾ける!!エチュードはあまりやったことないけど、ショパンのスケルツォやバラードならひいたことある!!
こんな感じでしょうか。このような生徒さんはたくさん見てきました。しかし、どう頑張ってもそれ以上うまくならない!なぜなんだ!といった具合でレッスンに駆け込んできます。私はその方たちの演奏を見て、9割がた同じことを指摘するのです。やはり、「脱力」です。脱力が出来ていないと、不意に出てくる連打や、高速のパッセージ、かた手のなかで全く違うことをするパッセージで必ず弾けなくなるからです。
僕はそのような生徒さんには、もう一度一段階前のステップから再スタートしてもらうことをお勧めしております。バーナムなどのエチュードに戻ると、効果は出るかもしれないですが、ショパンのスケルツォやバラードなどを一度弾いたことがある人にとっては、それは半ば拷問に等しい行為でしょう笑
そこで私が中級者レベルの方々にお勧めしているのは、ショパン作曲練習曲op25-1 エオリアンハープという曲です。皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。エオリアンハープとはギリシャ時代の楽器で、人の手で弾くのではなく、弾き手はなんと風!人に弾かせるのではなく風に吹かれて自然に音がなる、ほんとうにエコな楽器です。
この楽器の出す音を想像してみてください。どんなに繊細で、どんなに柔らかい音を紡ぎ出しているのでしょうか。。今では想像するしかありませんが、この音色の概念を現実の世界で実現させるためにこそ、脱力があると言っても過言ではないのです。いわゆる「フェザータッチ」と呼ばれるものです。
中級者の方がもし賛成してくださるなら、まずピアノに座り、目の前にエオリアンハープの楽譜を広げてみてください。一見、音の多さにびっくりしますが、それがどれだけ弾きやすく、合理的に書かれているかは、弾けるようになれば必ずわかります。まずは、とにかくゆっくり。自分が思ってるゆっくりのさらに2分の1のテンポで(つまりどう転んでも音を間違えないテンポ)弾くのです。と同時に、肘、肩、腕の力が完全に抜けきっているかを確認するのです。とても、根気がいりますが、かなり有効な練習方法です。
皆さんもためしてみてはいかがでしょうか。
お読みくださりありがとうございました!