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Staff Blog

更新日:2016.12.06

【音楽と言葉。】 ~椿音楽教室~

こんにちは♪

よく音楽と言葉は比べられます。一体なぜでしょう。ピアニストは、何百といる聴衆を前に、一言もしゃべらず、ただ1人佇み、ただ静かにピアノの前に座り、そしてただひたすら音楽を奏で始めます。そこには、おそらく言葉というものは必要ないでしょう。言葉で説明すべきことが何1つないからです。ただ、音楽がそこにあれば良いのです。私たちピアニストは、言葉には表すことのできない世界を、音楽で表現できると信じているからです。音楽を言葉で説明し切ろうとするのは、滑稽以外の何物でもありません。
ただ、たとえばアンサンブルやレッスンの場ではどうでしょうか。自分ひとりで弾く場面でなく、相手がいたらどうなるのでしょう。
きっと先生や仲間が、自分の目指す音楽を言葉にして伝え、音楽を作り上げていくことでしょう。それはとても自然なことです。
それに、歌は詩からインスピレーションをうけなければ生まれ得ないですし、ショパンの「バラード」やラヴェルの「夜のガスパール」もまた詩に感化され作曲されました。他の有名な曲にも実は、そんなインスピレーションからうまれた曲も少なくないのです。
音楽と言葉は切っても切れない関係ですが、演奏に言葉は必要ない。この関係性を私はとても面白く思います。
余談ですが、私が音大時代についていた先生は、とても素晴らしい音楽性と豊富な語彙力で素晴らしい指導をしていただける方でした。その先生からレッスンを受けた時、ある部分がどうしてもうまく弾けないと相談しました。その曲を弾いたことのある他の人に聞いても、皆口を揃えて、「その部分はとても難しい」という、そんな部分でした。すると、先生は「そこはね、湯葉をそっとすくい上げるようなタッチで弾くんだよ」と仰ったのです。その一言だけです。たったその一言、この言葉が自分の音楽表現と鋭く結びつき、思い通りに演奏できるようになりました。
ひょっとすると、単に音楽と言葉が結びついているのではなく、「正直な」音楽と言葉だけが、結ばれるのかもしれません。
レッスンのとき、どう音楽を言葉にして伝えるか悩むことがあります。しかし、自分にとって正直な音楽を、誠実な言葉で伝えることで、生徒さんたちと心から音楽を共有し合えるんじゃないかとふと思い、この記事を書かせていただきました。随分長文になりました…笑お読みくださった方々、ありがとうございました♪