【ホロヴィッツというピアニストについて】　～椿音楽教室～

みなさんこんにちは！
今日はピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツについてお話していきたいと思っています。最後までお読みいただけると嬉しいです！
ホロヴィッツというピアニストについて、正直説明する必要がありません。名実ともに最も高い人気を誇ったピアノ界のエンターテイナーです。彼を語る上では様々な逸話がありすべてをお伝えすることは到底不可能ですが、その片鱗だけでも伝わればと思い書かせていただきます。
まず、ホロヴィッツはおそらく世界で最も高い人気を誇ったピアニストでしょう。彼が新しいレパートリーを開拓するとこぞって多くの人が真似をし、彼のリズム感や歌い回しに影響をうけたのが明らかなピアニストは数多くいます。それほどに、絶大な影響力とカリスマ性をもったピアニストを私はほかに知りません。
彼の演奏の魅力の一つとしてまず挙げられるのが、音色です。なんという言葉を使えばあの音色を表現できるでしょうか..。とにかく、香り高く、どこまでも突き抜けていく音。そして、その先を辿っていくと必ず、天国か地獄へ行きつくような必然性や運命性を兼ね備えた音。・・・・なにをいっても言葉足らずです笑。それくらい、彼の音色には悪魔的なものと天国的なものが入り混じっています。その音色はほんとうに多くのピアニストを虜にしました。いったい何人のピアニストが彼のコンサートに行き、彼の音色や歌い回しに感動し、場を支配する空気感に震えあがり、ピアノという楽器の素晴らしさを実感し、そしてピアノをやめようと思ったことか。。。あのグレングールドでさえ、おそらくホロヴィッツに嫉妬していたようです。あのグールドがしっとするなんてどうかしていますね笑。２０世紀最大のピアニストであるスヴャトスラフ・リヒテルも、彼の音楽的スタンスそのものには賛成しなかったものの、「あの魔術的な音色はいったい何だ！」と周囲に漏らしていたようです。その音色の秘密は完全には解明しようがありませんが、かれは楽器そのものに非常に強いこだわりを持っており、どこに行くにも自分の楽器を持って行きました。そのことも、かれの独特な音色を作り出す秘密の一端かもしれませんね。
彼の演奏はＣＤに多く収められています。お勧めは「ラフマニノフピアノ協奏曲第３番・ピアノソナタ第２番」やモスクワ音楽院で開催されたリサイタルなどです。そのほかにもたくさん素晴らしい録音が残されています。皆さん是非聴いてみてください