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Staff Blog

更新日:2016.12.17

【リサイタルプログラム】 ~椿音楽教室~

こんにちは!
このブログを読んでくださっているみなさんは、きっと1度は演奏会に足を運んだことがあると思います。それは、オーケストラのコンサートかもしれませんし、ピアノやヴァイオリンのリサイタルかもしれません。あるいは、もしかしたら、自分自身でリサイタルを開いたことがある人もいるかもしれません。
今回はこのリサイタルについて考えていきたいと思います。
もともと、リサイタルという形式は、1人の演奏家が自作曲以外の様々な曲を一度の機会に演奏するものです。もちろん、自作曲を弾く人もいるかもしれませんが、それは本当に稀で、ショパンやベートーベンのように、クラシック作曲家の有名な曲を取りあげることがほとんどでしょう。しかし、実は昔はリサイタルという形式自体存在しないもので、もっといえば、作曲家と演奏家を区別することさえありませんでした。つまり、作曲家が造った曲を、作曲家自身の手で発表することが一般的だったのです。つまり、モーツァルトはモーツァルト自身の曲を、ベートーベンはベートーベン自身の曲を、といった具合にです。リサイタルという形式で演奏会を開いた最初の人物はあのフランツ・リストでした。かれは、自分が作った曲以外の作品をプログラムに加え演奏し、それを演奏会として成立させてしまったのです。それは当時としてはとても画期的なことでした。今では、世界中いたるところで開催されているリサイタルですが、意外なことにその誕生日は意外に最近なのです。
では、現代のリサイタルのプログラムはどのような形で決められているのでしょうか。弾きたい曲をやみくもに詰め込んでいるだけでしょうか。
もちろん、そうではありませんね。いまや、リサイタルは各演奏家の実力を発揮誇示する場ではなく、幾つかの曲を有機的な繋がりを持たせるように配置し、リサイタルそのもの自体を1つの芸術として、捉えるものとなっているのです。20世紀最大のピアニストに「世界最高のシューマン弾き」と讃えられたロシア人ピアニストのエリソ・ヴィルサラーゼはリサイタルについて「プログラムを考えるのは象を生むくらい大変なのよ」と仰っていました。そのように、1つ1つの曲の演奏に情熱を傾けるのはもちろんの事、リサイタルという1つの時間をいかに芸術的にものにするかを大切にすることは、とても価値のあることだと思います。もしみなさんがリサイタルに行かれた時、是非そのような観点も意識して聴いてみると面白いかもしれませんよ!
お読みくださりありがとうございました!