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Staff Blog

更新日:2016.12.25

【タチアナ・ニコラエワというピアニスト】 ~椿音楽教室~

みなさん、こんにちは!!今回はタチアナ・ニコラエワというソ連のピアニストについて書いていきたいと思います!最後までお読みいただけると嬉しいです。

みなさん、この記事を読んでいただいているということはきっとピアノ好きな方が多いのでしょう。なぜ、ピアノを好きになりましたか?おそらく、その多くの理由が、自分を本当に心の底から感動させてくれるピアニストに出会えたからではないでしょうか。私の場合は、そのピアニストは、ミハイル・プレトニョフ、ゲンリヒ・ネイガウス、スヴャトスラフ・リヒテル、そしてタチアナ・ニコラエワです。この中では、ニコラエワというのは比較的有名でないかもしれません。彼女は、ヴィルトゥオーゾピースをこれ見よがしに弾いて世間の注目を集めたり、奇才や変人のようなエピソードもありません。なので、もしかするとそういった意味では目立たないのかもしれません。しかし、そんなことはどうでも良いのです。彼女のバッハは、そんな音楽と関係のない部分の力を借りなくてもきっと、これからずっと生き残っていく力を持っていると思います。それほど素晴らしいピアニストでした。
私が最初に彼女の演奏をきいたのは、彼女がザルツブルク音楽祭で弾いたフランス組曲でした。ザルツブルク音楽祭というのは、世界有数の音楽祭で名だたるピアニストたちが集います。その時の録音を聴く機会があり、何気なくCDをかけてみたところ、あまりの素晴らしさに言葉を失いました。そこにあったバッハは決してアカデミックすぎず、機もてらわず、バッハの曲の中に含まれる人間味をストレートに捉えた感動的な演奏でした。そして、そのピアノの音はとても光沢があり、よく響き、その響きもなかなか減衰することなく次の響きと混ざって紡ぎ合う、そんな演奏で、それは私の理想のバッハ演奏でした。彼女は小柄な女性でしたが、音楽は壮大なドラマティックな演奏で、彼女のバッハの平均律をきいたショスタコーヴィチが、その演奏にインスピレーションを受け、24の前奏曲とフーガを書いたほどです。もし、バッハが無味乾燥でつまらなく学問的だと思っている人がこのブログを読んでいる人の中にいらっしゃるなら、彼女のバッハ演奏を是非聞いてみてください。そこには、壮大な人間ドラマが溢れ出す感動的なバッハがあり、それに出会ったあなたはきっとバッハに対する思いがきっと変わることでしょう。お読みくださりありがとうございました。