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Staff Blog

更新日:2016.08.03

【トランスクリプションピースを弾く時に】~椿音楽教室~

こんにちは。今回はトランスクリプションピースを弾く時に、大事にしなくてはならないと思うことをいくつか書いていきたいと思っております。最後までお読みいただけると嬉しいです!
トランスクリプションピース。いわゆる「編曲物」です。様々な曲が様々な作曲家によって編曲されているのをご存知でしょうか。例えば、ブゾーニ編曲のバッハ作曲「シャコンヌ」やラフマニノフ編曲のバッハ作曲「無伴奏パルティータ」、器楽以外では、たとえばリスト編曲のシューベルトの歌曲なんてのもあります。やはりピアノは楽器の王様と言われるだけあって、様々な編曲ものがあるようです。逆に、ピアノ曲を他の楽器に編曲した例はあまり多くはありません。特異な例としてリスト作曲の大曲「ピアノソナタロ短調」がヴァイオリンのために編曲されたりしていますが、稀な例といえるでしょう。ピアノで、他の楽器のために編曲された曲を弾くことは、なかなか考えさせられることが多いと思います。たとえば、ヴァイオリンの曲をピアノで弾くとき、どこまでピアノ的に自由に弾いていいのでしょうか。バッハを演奏するときのようにペダルを使わずに、ピアノという楽器の素晴らしさの大半を押し殺して弾かねばならないのでしょうか。どうやら、編曲ものはそうではないようです。例えば、リスト、ラフマニノフ、ブゾーニといった編曲ものを多く残した作曲家は偉大なピアニストでもありました。なので、楽譜をよく観察すると、元の曲のスタイルを残しつつ、ピアノの魅力をふんだんに生かせるように書かれていることに気づかされます。それに、ラフマニノフの編曲などは、和声もラフマニノフ風にアレンジしたりしていて、ほとんど別物と言っても良いでしょう。いま、私はリスト編曲バッハ作曲「幻想曲とフーガト短調」というとてもマイナーな曲に取り組んでいます。実はこれはオルガンのために書かれているのですが、やはりオルガンと比べてピアノの響きは減衰してしまう上に音の厚みも負けてしまうため、もしオルガンの楽譜をそのままピアノで弾いたらとても軟弱な空虚なものになってしまいます。しかし、やはりリストは凄い。そのオルガン的な響きを連想させつつ、ピアノとして成立するよう上手く編曲されているのです。あまり、弾かれない曲ではありますが是非皆さんお聞きになってみてください。皆さんも編曲ものを弾くときは、恐れずピアノの魅力をふんだんに味わいましょう!!