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Staff Blog

更新日:2016.06.23

【はじめてのバイト②】

こんな風に、ト音記号とへ音記号さえ区別できなかったレイチェルのような子も印象深かったですが、私の生徒の中には満点を目指していた子もいました。
ブライアンという男の子は音楽理論にかけては学習力が高く、本番のグレード1試験でほぼ満点を取ったのです。しかし、音楽理論が好きなわりにフルート演奏するのは大嫌いだったのです。10分も立てず飽きてしまうブライアンに対して、「この曲を練習したら授業終わるよ」とゴールを設定し少しずつ練習に集中できるよう導いたのを覚えています。
  また、私は中学生組三人組の女の子のレッスンもしていました。二人はABRSMフルート演奏グレード5に向けて練習していたのですが、すでに三つの曲を選んで彼女たちの指導をしていた私は、昔の自分をみていたようで懐かしかったのを覚えています。昔の私をさんざん悩ませた曲が今ではこんなにも易しく見えるのだなとちょっと不思議だと思ったものです。とにかくとても大人しくきちんと毎週練習してきた女の子二人に対して、音譜の正しさを守るのは言うまでもなく、それ以上に感情を加え、曲の気持ちの変化や強弱を表現することも期待しました。グレード5の段階では、テクニックを重視する傾向が強く、まだ感情的な演奏はあまり求められないにもかかわらず、彼女たちがこれからもフルートの道を進むうえで必要な技能であるということを判断したためである。
  最後は大人組。といっても女性一人しかいなかった。社会人を教えるのに難しい点は年齢だった。当時二十歳の私は五つ年上の彼女にちゃんと教えられるのかどうかを疑われてすごくショックだった。しかし教えるべきことは隠さず教えるのが自分の責任だから、と思うと冷静に対応できた。しかし、彼女の不満のおかげで、もっと経験を積んでフルート講師としての修業をすることが必要だと気付くことが出来たため、今では彼女に感謝している。