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Staff Blog

更新日:2016.05.10

【「FOCUS」in Japan】~椿音楽教室~

三名の作曲家のプログラムを聞いた率直な感想を言うと、時間が過ぎるのがあっという間であった。公演へは私を含め知り合い3人で見に行ったのだが、全員が「曲にのめり込んでしまってあっという間だった」という意見で一致していた。
 ポップスや厳格なクラシックのように、曲の中にキラーフレーズや主題を見つけることは大変に困難であったが、各楽器が異なったタイミングで鳴らされているのにも関わらず緻密に混ざり合い調和して、独特の世界が作られる。特に「タクディマ」に関しては、ヴァイオリンが舞台裏で鳴る、という大変珍しい舞台セッティングを見ることが出来た。曲が数分経ったところで、姿が見えないにもかかわらずヴァイオリンの音がどこからか聞こえてくる。前列に座っていらっしゃった夫婦とおぼしき観客の方が、一体どこから音が鳴っているのかと、舞台へ小さく指をさしていた。
「ボレロ」等で有名なモーリス・ラヴェルの曲に関しては、さすが「音の魔術師」である。圧倒的オーケストレーションで綴られた上記の曲、特に4弦が素晴らしい奏法と和声で世界を一気に引き込んでいる。3つの詩というタイトルだけあり、ステファヌ・マラルメの詩を綴るのはソプラノ歌手の半田美和子氏。3つ目のブーレーズの曲もまたソプラノがある曲なのだが、跳躍が多い楽譜ながら正確無比な音程と豊かな表現力で私たちを作品の世界に引きずり込む。
 立場上、プレイヤーの卵である学生の演奏を聴く機会が多かった今日この頃であったが、今回プロ中のプロの演奏をここまで堪能できたのはとても素晴らしい刺激となった。