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Staff Blog

更新日:2016.05.12

【蒙古音楽②】~椿音楽教室~

しばらくしてこの大将は、遠く離れた西のほうの羊飼いのところに通い始めた。
だが朝になって娘が目を覚ました時には、大将も馬も見えなくなっていた。どうも不思議だ、と娘はある夜そのやせ馬のところに忍び寄り、身体を調べてみた。そうしたらこの馬には小さな翼がついていた。
ああ、これを切ってしまえば大将は夜が明けてもここにいてくれるだろう、と彼女はあさはかにもその翼を切り取ってしまった。しかし、その朝彼女が眼を覚ました時ときには、いとしい大将もやせ馬もやはり見えなくなっていた。
一方大将は、聖なる山に向かって馬を走らせているうちに馬の速力は鈍り、ついに力尽きて倒れて死んでしまった。天に帰れなくなってしまった大将はその馬の死骸に抱きついて嘆きないた。そうするとこの馬は、頭だけを残して楽器となり、鬣は弦となった。これが馬頭琴である。