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Staff Blog

更新日:2016.05.15

【蒙古音楽⑥】~椿音楽教室~

さて客である。蒙古人は小刀と箸と木(桑の木が良いとされている)の椀を必ず持って歩く。
椀を持たないで他家を訪問するのは、その家の奥さんを貸してくれという合図になるのだそうである。客は自分の小刀でゴロンとしているのを勝手に切り取り、それをそのまま食する。筆者には特に岩塩を水に溶いたものを添えてくれた。周囲の客はなにもつけてはいないようだった。
女たちはしかしまだ仕事をしている。
先に出た血を、腸を洗って流し込むのである。端を縛って入口につるす。つまり血入りのソーセージである。
この羊腸がまたかつては西洋音楽には欠かすことのできないものであった。
弦楽器の弦である。これはしかし温度の変化に弱く、かつ音量が少ないこと、切れやすいためい、最近では鋼線を使うようになってしまった。しかし音質のデリケートさの点では、羊腸線にはとてもかなわない。とくに羊の腹子のそれで作ったものは最上のものとされていた。ストラディヴァリなどの古銘器は、いずれも羊腸線を張り、蒙古の馬の尻尾の毛でひくように作られたのである。