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Staff Blog

更新日:2016.05.20

【酔いどれシューベルト②】~椿音楽教室~

内容のすばらしさや劇団の俳優の方の演技もさることながら、特筆すべきはオペラの生歌唱をとても近い距離で見られること(歌手から私の席まではおそらく15メートルとなかったであろう)、そしてBGMを奏でる楽団も生だという点だろうか。
 楽団の編成がなかなか特殊で、フルート2本、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、コントラバス、トランペット、トロンボーン、チューバがそれぞれ一本、ピアノが一台という超小編成オケである。木管・金管・弦がそれぞれ三本ある意味では非常に整った編成だ。その編成用に宛て書きされたシューベルトの曲にも注目だ。もちろん“魔王”も生で聴ける。あの曲がやはりピアニスの泣かせだ、ということも間近ゆえによくわかる。
 脚本も「でも、舞台ってお堅いんでしょう?」という固定観念を見事に払拭してくれている。なにより台詞の端々、舞台のセットにすら笑いがちりばめてある。そして落とし所はきっちりと落とすのだ。恥ずかしながら、クライマックスでは私も涙を流しながら見ていた。テレビ画面や映画のスクリーンで見る作品もいいが、生身の人間と距離の近い舞台だと、より脚本の「人間ドラマ」が伝わってくる。
 劇団イボンヌ、今後の公演にも多いに期待がかかる。