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Staff Blog

更新日:2016.04.03

【初見とか最早そういうことではない】~椿音楽教室~

今回のコラム、長いタイトルに一瞬驚いた方もいらっしゃるだろうが、そう、今回は初見とか最早そういう次元を通り越して、すごい技術を持つミュージシャンの一端を垣間見た経験を書こうと思う。
 初見については、このブログを見ている方は少なくとも音楽には最低限携わっているだろうからここでは説明を省くのだが、ようは初めて見る譜面を弾くことである。初見はまた別の機会に詳しく語ろうと思う。
 私が凄すぎる初見をかいま見たのは、二年前ほど。アンサンブルの学校の授業でのことだった。その授業の先生は普段はベーシストとして各地でサポート演奏などをする方だった。その日のアンサンブルの授業はたまたまベース担当の学生が休んだために、先生がトラ(エキストラのこと)としてベースを担当したのである。そして奇しくも、その日に合わせをする曲は私が作曲をしたものだった。
 もちろん私が書き下ろした曲であるのだからレパートリーとして存在するわけでもなく、先生はその曲を初めて弾く。すなわち譜面は“初見”だったはずだ。しかしパート譜は休んだベースの学生の分しか渡っておらず、先生にはスコアを見てベースを演奏してもらうというとても申し訳ないことになった。
 しかし、申し訳ないと言う私の気持ちは一瞬にして吹き飛んだ。我々がチューニングなどの楽器を準備をしている間に、先生はスコアを一二分ほど眺めてページを次々とめくっていく。