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Staff Blog

更新日:2017.01.13

【作曲家視点の映画レビュー「ローグワン」③】~椿音楽教室~

古い作品を見返した時、それこそ先ほど言及した「Mr.インクレディブル」ではノリのいいジャジーなサウンド、「レミーのおいしいレストラン」ではイタリアの風土を連想させるアコーディオンやマンドリンなどの民族楽器群、最近だと「ズートピア」では映像に合わせたビッグなサウンドに加え、民族打楽器やクロマティックパーカッションを使った太古を連想させる音楽など、どれもジャンルや楽器の特色を前面に押し出したThe・“ジアッチーノ氏サウンド”という感じのものが多かった。
 それがこの「ローグワン」は、それこそジョン・ウィリアムズ氏から引き継いだ映画であるし、それこそジェリー・ゴールドスミス氏が担当していた「スタートレック」や「猿の惑星」など、“引き継いだ作品”に関しては、その風土独自の楽器を利用したり、ビックバンドサウンドで攻めるやり方よりは、正規のオーストラ内のオーケストレーションを駆使し、まるで前任者がそのまま音楽を担当していると錯覚させるような、「前任者の意思を尊重する」サウンド作りが強い。そこに商業音楽家として尊敬が持てるのだ。
 さて、そんなマイケル・ジアッチーノ氏が2017年に音楽を担当している公開予定映画は、すでに数本あるようだ。是非是非期待したい。