更新日:2023.05.31
ウィスパーボイスとは?上手に出すためのポイントや練習方法を紹介
「ウィスパーボイスを練習しているが、なかなか上達しない」「ウィスパーボイスが出せるようになりたい」「ウィスパーボイスを出すための練習方法を知りたい」
このような悩みを持っていませんか。ウィスパーボイスはささやく時のような吐息が混ざった声で、色気を出したい時や切なさを表現したい時などにおすすめの技法です。
今回はウィスパーボイスを上手に出すための練習方法や注意点を解説します。ウィスパーボイスが得意なアーティストも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ウィスパーボイスとは
ウィスパーボイスを直訳すると、Whisper=ささやき、Voice=声です。ささやき声のような吐息が混ざった声が特徴的です。
話し声などと比較すると声の割合よりも息の割合が多いため、近くの人にそっと話しかけるような柔らかい声質となります。ささやくような優しい歌声、包まれるような癒される声、色気を出したい時や切なさを表現したい時などにおすすめです。
ウィスパーボイスは静かなシーンで特に映え、エッジが強く効いている声やハスキーボイスとの相性も抜群です。色々な世界観を出せるようになりたい人はウィスパーボイスを練習してみましょう。
ウィスパーボイスが活躍するシーン
ウィスパーボイスは歌だけではなく、朗読やナレーションなどでも活用されています。静かで落ち着いた雰囲気の曲や切なく儚げなシーンは、ウィスパーボイスとの相性がいい傾向にあります。
ウィスパーボイスが特に映える歌のジャンルはバラードです。ウィスパーボイスが歌に奥深さを加え、曲をより引き立たせます。雰囲気を出したい時にはウィスパーボイスを積極的に取り入れてみましょう。
また、ブラックミュージックから発展したR&Bとも相性がいいので、セクシーな印象を与えたい時にも使えます。
下記のような悩みを持っている時にはウィスパーボイスを練習してみるのがオススメです。
- 独特な世界観を出したい
- 優しい印象を与えたい
- 甘い印象を与えたい
- 歌に抑揚をつけたい
ウィスパーボイスが得意な歌手
ウィスパーボイスのイメージを早く掴むためには、アーティストの歌い方を真似してみるのがよいでしょう。
ここでは、ウィスパーボイスが得意な歌手を女性アーティストと男性アーティストに分けて紹介します。動画を見ながらウィスパーボイスのイメージを膨らませましょう。
女性アーティスト
ウィスパーボイスが得意な女性アーティストは下記のとおりです。
- 宇多田ヒカル
- Chara
- 手嶌葵
- ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)
- マライア・キャリー(Mariah Carey)
それぞれ紹介します。
宇多田ヒカル
宇多田ヒカルは息が多く含まれた発音を得意とする女性アーティストの一人です。彼女の歌の出だしは基本的にウィスパーボイスからスタートしているといっても過言ではありません。
加えて、そのウィスパーボイスに繊細なビブラートをしっかりかけているのが特徴的です。ウィスパーボイスですが弱くない、安定したボイスを身につけたい方は宇多田ヒカルの曲を聴いて練習してみてくださいね。
Chara
Charaは甘いウィスパーボイスで歌を歌い上げる独特な声の持ち主です。
デビュー曲の「Heaven」の時からセクシーで魅力たっぷりなウィスパーボイスで歌い上げ、圧倒的な存在感を放ってきました。
ソウルやR&Bにルーツを持っているので、それらとウィスパーボイスを掛け合わせたCharaにしか出せない世界観を彼女の歌う歌では楽しめますよ。
手嶌葵
手嶌葵はジブリ映画『ゲド戦記』の挿入歌「テルーの唄」を歌っているアーティスト。
その透明感のあるウィスパーボイスは、ゲド戦記の静かで大人っぽい雰囲気にぴったりで多くの視聴者を魅了しました。
手嶌葵はやわらかな質感の声が特徴的です。その声が奏でるささやくようなウィスパーボイスは一度聞くと意味から離れません。しっかり芯のあるウィスパーボイスを習得したい方はぜひ手嶌葵さんの歌を聞いてみてください。
ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)
ウィスパーボイスをより上達させたいなら、ぜひビリー・アイリッシュの歌を聞いてみてください。ウィスパーボイスといえばビリーアイリッシュという人も多いほど、彼女はウィスパーボイスの代名詞とも言えるアーティストです。
中でも「エヴリシング・アイ・ウォンテッド(everything i wanted)」は、世界最高峰の音楽賞であるグラミー賞を受賞した彼女の代表曲です。実兄といつまでも寄り添って乗り越えるというメッセージに相応しい、包み込むような優しさがウィスパーボイスで表現されている一曲です。
マライア・キャリー(Mariah Carey)
マライア・キャリーもウィスパーボイスを出すのが得意な女性アーティストの一人です。ストリートテイストで、強いビートが胸を打つような曲にウィスパーボイスを組み合わせるのを特に得意としています。
正確な息のコントロールによって、フレーズごとにウィスパーボイスやファルセットを使い分ける圧巻のテクニックは、マライア・キャリーじゃないと成し得ることができないでしょう。
迫力のあるホイッスルボイスとウィスパーボイスの組み合わせをぜひ堪能してください。
男性アーティスト
次にウィスパーボイスが得意な男性ボーカルを紹介します。
- スピッツ
- 藤井風
- 徳永英明
- ショーン・メンデス(Shawn Mendes)
- ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)
それぞれ解説していきます。
スピッツ
スピッツの草野マサムネさんはミックスボイスとウィスパーボイスを組み合わせながら歌う男性アーティスト。
「紫の夜を超えて」はAメロからウィスパーボイスがふんだんに使われているので、ウィスパーボイスのイメージを掴みたい人はぜひ聴いてみてください。
藤井風
藤井風は曲によってウィスパーボイスを使い分けています。寂しく儚げな歌詞を歌う時に表現の一環として、ウィスパーボイスを使っています。
藤井風の柔らかい声質と相まって、ウィスパーボイスが際立つ一曲です。
徳永英明
徳永英明も曲によってウィスパーボイスを使い分けるアーティストです。代表曲の「壊れかけのRadio」や「レイニーブルー」は多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。みんなが知っている曲なので、ウィスパーボイスの練習ついでに歌えるようにしておくと注目を集めることができるでしょう。
ショーン・メンデス(Shawn Mendes)
ショーン・メンデスはエッジが効いているウィスパーボイスを出すことができます。
その声はとてもエロティックで、聴く人を優しく包み込んでくれます。ショーン・メンデスはエッジボイスも得意なので、いずれエッジボイスも出せるようになりたいと考えている人はぜひこの曲を聴いてみてくださいね。
ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)
ジャスティンビーバーもウィスパーボイスを発声するアーティストの一人です。 ハスキーボイスとウィスパーボイスがミックスした声は耳心地がとても良いので、癒されます。
「Habitual」はジャスティンのウィスパーボイスがとっても映える作品となっているので、ウィスパーボイスができるようになりたい人はぜひ聴いてみてください。
ウィスパーボイスの出し方
次にウィスパーボイスの出し方について解説します。ウィスパーボイスはハスキーボイスの出し方と似ており、声に息をたくさん含ませるイメージで発声します。
下記の手順どおりに、まずはウィスパーボイスを出す感覚を掴んでみましょう。
- ため息のようなイメージで「はぁー」と息を長く吐く
- 「はぁー(息)」「あー(声)」「はぁー(息)」のように、ため息と声を交互に出し、声を混ぜていく
- 息と声の割合を変えてみて、出しやすい割合を見つける
声を混ぜていくときには息の量を変えないのがポイントです。
音程は自分が出しやすいもので構いません。喉に負担をかけない音程と音量でまずは練習をしてみましょう。ウィスパーボイスは人によって出しやすさに個人差があります。自分が無理なく出しやすい、息漏れとは違う絶妙なバランスを探してみましょう。
ウィスパーボイスを出すための練習方法
ウィスパーボイスを効率よく身につけるためには、正しい練習方法を知ることが大切です。まずは下記の3つのポイントを抑えましょう。
- 腹式呼吸を身につける
- ため息に音を乗せるように声を出す
- 声を遠くに飛ばすイメージで発声する
それぞれ詳しく解説していきます。
①腹式呼吸を身につける
ウィスパーボイスを安定して出せるようになるためには腹式呼吸を身につけることがマストです。吸った息を無駄なく使うために、腹式呼吸をまずはマスターしましょう。
腹式呼吸は安定した声量で歌うための基盤となります。肺一杯に息が入っているかを確認しながら息を吸いましょう。
腹式呼吸ができているか分からない人は、下記の手順で腹式呼吸ができているか確認してみてくださいね。
- 仰向けに寝る
- みぞおちあたりに手を置く
- 鼻からゆっくり息を吸い込み、肺が膨らむのを確認する
- 口をすぼめてゆっくり息を吐き、肺の息を使い切る
肺ではなくお腹に息を取り込むイメージで、「ほ」の口で息を吸うと肺へ空気が溜まりやすくなります。仰向けの体勢に慣れたら、身体を起こして立った状態でやってみましょう。
②ため息に音を乗せるように声を出す
ウィスパーボイスは息をたくさん含んだ歌声です。そのため、吐いた息に徐々に音を乗せていく練習がおすすめです。息を吐くときは一定の息を出来るだけ長く吐き続けるのがポイントです。ウィスパーボイスのメインは息なので、息を吐きながら徐々に声へ変換していく練習をしていきましょう。
息がたくさん含まれた声にするためには、声のボリュームは小さめで練習するのがよいでしょう。
③声を遠くに飛ばすイメージで発声する
ウィスパーボイスを練習したのに、聴き手に聞こえなくては練習した意味がありません。
発声をする時は腹圧で息の量をコントロールしながら、声を遠くに届けるイメージで出すのがポイントです。これにより、息が多く含まれていながらも声の通りがよくなります。
ウィスパーボイスを出す2つのポイント
ウィスパーボイスを練習する時に意識すべき2つのポイントについて解説します。
「弱く歌う」と履き違えない
ウィスパーボイスを出す時にはただ単に「弱く歌う」ことと履き違えないように注意しましょう。
ささやくようなイメージではありますが、実際はしっかりと発声し、芯のある声を出すことが大切です。声帯が振動しているのかを確認しながら歌いましょう。
声帯の振動を確認するときは、喉仏に手を添えながら歌うと手で振動を確認できますよ。
発音ははっきりする
ウィスパーボイスを出す時ははっきり発音をするように意識をしましょう。
ウィスパーボイスは通常の歌を歌う時よりも息を吐き出す量が多いので、声量がどうしても小さくなってしまいます。音の輪郭もぼやけてしまいがちな傾向にあります。
そのため、練習時から一音一音はっきりと発音するクセをつけておきましょう。
歌が上達したいなら音楽教室に通うのもおすすめ
ウィスパーボイスが出せるようになりたいなら、正しい発声方法といった基礎はもちろん、歌い方や声の出し方を見てアドバイスがもらえる音楽教室に通って指導を受けるのが上達への近道です。
椿音楽教室では、全国200ヶ所以上あるスタジオや自宅でレッスンが受けられます。場所や時間を選ばず、上達をしたいと思ったタイミングで気軽にレッスンを受けることができます。椿音楽教室には、現役歌手としてオペラで活躍している講師や海外の各地で公演を開催している歌手など一流の講師が多数所属しています。そのため、自分に合った講師に出会うことができますよ。
完全初心者の方はもちろん、過去にボイストレーニングを受けたことがある人や声楽を学びたい方、趣味の歌をより上達させたい方など、それぞれの目標や習熟度に合わせて指導をしてくれます。
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ウィスパーボイスで魅力的な歌を歌おう
この記事ではウィスパーボイスを上手に出すための練習方法や注意点、ウィスパーボイスが得意なアーティストについて解説しました。ウィスパーボイスが出せるようになると表現の幅が広がり、歌える曲のレパートリーも広がりますよね。
腹式呼吸や息の量のコントロールはすぐに習得できるものではありませんので、毎日10分でもコツコツ練習することが大切です。
ウィスパーボイスの感覚が掴めないと思ったらプロから意見をもらうのもオススメです。この記事を参考に、綺麗にウィスパーボイスが出せるよう練習してみてください。
ウィスパーボイスに関するよくある質問
ここではウィスパーボイスに関するよくある質問をご紹介します。
ウィスパーボイスとはどのような声ですか?
ウィスパーボイスを直訳すると、Whisper=ささやき、Voice=声です。ささやき声のような吐息が混ざった声が特徴的です。
ウィスパーボイスの出し方を教えてください。
ウィスパーボイスの出し方は下記の手順になります。
- ため息のようなイメージで「はぁー」と息を長く吐く
- 「はぁー(息)」「あー(声)」「はぁー(息)」のように、ため息と声を交互に出し、声を混ぜていく
- 息と声の割合を変えてみて、出しやすい割合を見つける
ウィスパーボイスをマスターするコツを教えてください。
ウイスパーボイスを効率よく身につけるためには、正しい練習法を知ることが大切です。まずは下記の3つのポイントを抑えましょう。
- 腹式呼吸を身につける
- ため息に音を乗せるように声を出す
- 声を遠くに飛ばすイメージで発声する
この記事を監修した講師
宮島淳能
楽器
ボーカル
【宮島淳能先生監修コメント】
皆さん、カラオケに行って、程なくしたら「喉が疲れて歌えなくなった」なんて経験はありませんか? ウィスパーボイスには、皆さんの歌を上手に聴かせてくれるだけでなく、息を混ぜながらリラックスして歌うことで喉のダメージを軽減してくれる効果があります。 ぜひ正しい発声方法でウィスパーボイスを活用しながら、より歌の上達を目指してみてはいかがでしょうか?