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更新日:2024.11.15

三味線初心者は何を揃えればいい?初心者セットやおすすめの練習曲も紹介

三味線初心者は何を揃えればいい?初心者セットやおすすめの練習曲も紹介

「伝統ある楽器を演奏できるようになりたい」「趣味の一つとして三味線を始めたい」「三味線を練習しているが正しい練習が分からない」このように悩んでいる人はいませんか?

三味線は日本で古くから愛されてきた楽器の一つです。

敷居の高いイメージがある人もいるでしょうが、近年ではポップスやロックといったジャンルや舞台芸能などにも取り入れられるようになり注目を集めています。そのため、いまや三味線は誰でも始めやすい楽器の一つです。

大人でも正しい練習を続けることで、数多くの曲を弾きこなせます。

本記事では、三味線初心者におすすめの練習法や練習曲、三味線の選び方までご紹介します。

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三味線はどんな楽器?

三味線という楽器の名前を知っている方は多いですが、実際に触ったことがある方は少ないのではないでしょうか。 なので、まずは三味線の特徴をお伝えいたします。

1.三味線の歴史

三味線は400年もの昔から歴史がある楽器で、ルーツを辿ると紀元前の中国にまで遡ります。

秦の時代に存在した弦楽器「弦鞀(シェンタオ)」が時代とともに呼び方が変わり、13~14世紀頃の明になると「三弦(サンシエン)」と呼ばれます。 その「三弦(サンシエン)」が14世紀頃の琉球に広がり、「三線」という名前で親しまれました。

さらに、16世紀ごろになると「三線」が琉球から日本に伝わり、改良が行われて「三味線」が生まれます。 江戸時代後半になると、三味線は日本で最もポピュラーな楽器になります。

2.三味線の構造

三味線は胴(弦をはじくところ)と棹(弦を押さえるところ)でできており、胴に棹が刺さったアコースティックギターのような構造をしています。

胴は四角い木の枠に動物の皮を張ったもので、「花林」という柔らかい木と犬や猫の皮から作られています。 一方で棹は「紅木(こうき)」という硬い木で作られており、「紅木(こうき)」は音が狂いにくいという特徴があります。

胴の材質によって三味線の音色は大きく異なります。質の良い木材や皮を使用すると、美しくて繊細な音色になります。

3.三味線の役割

もともと三味線は長唄の伴奏で使われることが多く、唄を引き立たせる役割をしていました。 しかし、現代ではバンドのアンサンブルの中に三味線を入れたり、ソロ楽器として演奏されたりとさまざまな場面で活躍しています。 そのため、三味線はアイデア次第でメロディやリズム伴奏など色々な役割を果たせる楽器と言えます。

三味線の種類や弾き方

ここでは三味線の種類や弾き方について詳しく解説しますので、三味線に興味がある人はぜひ参考にしてみてください。

三味線の種類は3つ

三味線の種類

三味線の種類は以下の3つです。

  • 太棹
  • 中棹
  • 細棹

元々は表現したいジャンルによって三味線を使い分けていた名残で大きさに違いがあります。棹が太くなればなるほど胴の大きさも大きくなり、動画大きくなるほど音が大きく、音域が低くなります。

「太棹」は胴が大きくて棹が太く、3種類の中で1番迫力のある大きな音が出ます。 吉田兄弟で有名な津軽三味線、千本桜で有名な和楽器バンドはこの「太棹」が使われています。 野外でもしっかりとした音が響きます。津軽民謡や義太夫三味線などで使われています。

2番目の「中棹」は民謡などで使われる三味線で、1番ポピュラーな三味線です。伸びが良くしっとりとした音が特徴です。箏や尺八と合奏するために作られた三味線新内という種類も「中棹」に分類されます。「中棹」は小唄から民謡まで幅広い音楽シーンで使われています。

最後の「細棹」は華やかで甲高い音が特徴です。 歌舞伎の伴奏でも使われ、舞台では甲高いながらも迫力のある音を奏でます。長唄などのテンポの速い曲を演奏する時に適した楽器です。学校教材や初心者の入門用としてもよく使われています。

三味線の弾き方

弾き方のポイントについてお伝えします。

まずは三味線の構え方です。 正座の状態で右太ももの上に三味線の胴を載せ、胴の裏側にお腹が当たらないよう胴とお腹の間に空間を作ります。この時背筋はきちんと伸ばしましょう。椅子に座る場合は、浅く腰掛けて背もたれに背中を付けないようにします。

次に、棹を左手で持ち上げ糸巻きの位置が耳たぶと同じ高さにします。 その状態ができたら撥(バチ)で糸をはじいて音を出します。 糸をはじくときは力を入れず、撥(バチ)の重さを使って振り下ろすようにはじきましょう。

お腹が三味線に当たっていると音が響かないので、必ずお腹から話してください。

初心者におすすめな三味線の選び方

初心者セットを購入する

初心者セットは三味線本体だけでなく、必要なものが一括で揃えられます例えば、撥(バチ)や駒といった、演奏に必要なアイテムがセットのものがあります。それに加え、お手入れに必要な予備の弦やクロス、入門書、ソフトカバーなどがセットになったものなどがあるため、初心者でもスムーズに購入できるのがメリットです。

また、別々で購入するより安く揃えられ、一つひとつのアイテムを調べる手間もかかりません。そのため、すぐに練習を始められるのもうれしいポイントです。初心者セットは金額も比較的安いため、まずは三味線に触れてみたいという方に特におすすめです。

楽器店や教室の先生に相談する

三味線に詳しくない方は、楽器店や教室の先生に相談して購入するのもよいでしょう。三味線は奥が深く、胴や棹に使われる木材や皮質で音が変わります

そのため、初心者の方が1人でよい三味線を買うことは難しいです。質のよくない三味線を高額で購入してしまう危険性もありますが、三味線のプロからアドバイスがもらえれば安心ですよ。

ただし、高額なよいものをおすすめされる場合が多く、予算オーバーになってしまうリスクもあります。相談の際は、事前に予算を伝えておくとスムーズに三味線を選べるでしょう

また購入の際は、実際に三味線を触って決めるのがおすすめです。ぱっと見は同じような三味線でも、一つひとつ質感や持ちやすさが異なるためです。

実際に三味線を構えると、棹の太さや長さはもちろん、全体的な重さも分かります。自分の手の大きさや体格に合った、馴染みやすい相棒を見つけてくださいね。

三味線に必要なアイテム

三味線を弾くのに必要なアイテムをまとめました。以下に8つのアイテムをご紹介するので、参考にしてください。

三味線の弦をはじくのに使う、必須アイテムです。 主な素材は、木製やプラスチック、鼈甲(ベッコウ)、象牙などがあり、近年ではプラスチックや合成象牙が主流です。曲のジャンルや流派によって、どの撥を使うか変わるので、事前に調べておきましょう

特別に選ぶ必要がない場合は、幅広いジャンルに対応でき、数千円から購入できるプラスチック素材がおすすめです。

また、撥によって大きさや重さ、重心、しなり具合が異なります。特に重心は撥によって位置が変わるため、演奏スタイルに合ったものを選ばないと手首を痛めることがあります初心者だと見極めが難しいポイントですが、試奏できるレベルの方は、ぜひ慎重に選んでみてください。

なお、撥先が削れて丸くなってきたり、落として割れてしまったりした場合は、メンテナンスや交換が必要となります。

膝ゴム

膝ゴムは、三味線が滑らないように膝の上に置くゴム製シートです天然素材を原料とした、柔らかなラテックス素材のものが多く販売されています。舞台で使うことを考え、なるべく目立たない色を選ぶのがおすすめです。

指掛け

指掛けは、棹を握る左手の親指と人差し指に入れて使う、ゴムが織り込まれているアイテムです。手の保護や、糸を抑えるときのスムーズな移動をサポートします

大きさは大、中、小とありますが、ゴムの伸縮があるため、男女問わず中サイズを基本とします。大は手が大きい方や指の太い方、小は小さな手の女性や子どもが演奏する場合におすすめのサイズです。

調子笛またはチューナー

三味線は、演奏前に調弦しないと弾けないので、いずれかのタイプを必ず用意しましょう。

調子笛は昔から使われている、歯車のような形をした、音階が付いた笛です高音用と低音用の2種類がありますが、どちらも仕組みは同じです。13個の穴が空いており、ABC表記で音階が書いてあります。そっと息を吹くとハーモニカのような音色が鳴るので、吹いた音に合わせて調弦するアイテムです。

チューナーは三味線の音を拾って音階を示す機械ですさまざまなタイプが各メーカーから販売されていますが、中にはメトロノーム機能が付いたものもあり、練習の際に便利です。

最近ではスマホのチューナーアプリもありますが、機能としては簡易的なものになります。それぞれにメリット、デメリットがあるので、使う場面を想定してご自身に合ったものを選んでください。

替え糸

糸は消耗品のため、切れたり音が響きにくくなったりすると交換が必要です数本は手元に用意しておきましょう。

糸と胴皮の間に挟んで、糸の振動を胴に伝えます。割れたり糸をかける溝が深くなったりしたら、交換のタイミングです

素材はおもに、プラスチックや舎利、竹、水牛、紅木、桑、象牙があります。選ぶ駒は、曲のジャンルや流儀、好みによって変わりますが、プラスチックと舎利は幅広いジャンルに対応しています。

譜面

演奏してみたい曲がある場合は、譜面を用意しましょう初心者でよく分からない方は、教則本を1冊持っておけば大丈夫です。練習していく中で、必要に応じて買い足していってください。

扇子

扇子は、唄をうたう際に使用します唄扇子といい、男性用は大きく、女性用は小さめサイズです。三味線を始めるのに必須なアイテムではないので、教室に通われる方は先生に確認してください。

三味線を上達するための3つのポイント

三味線を上達するための3つのポイント

三味線上達のためには以下の3つが重要です。

  • 正確なフォームを覚える
  • 正しい音程で演奏する
  • リズム感を養う

それぞれ紹介していきます。

1.正確なフォームを覚える

正確な三味線の構え方、撥(バチ)の持ち方を覚えましょう。 正しいフォームで演奏することで、三味線が安定するので演奏しやすくなります。

間違ったフォームで演奏を続けると、手首を痛める可能性があります。 それだけでなく、間違ったフォームが演奏の邪魔をして、上手く演奏できず、上達しにくくなる可能性があります。 ケガの防止や上達のためにも正しいフォームは必ず覚えましょう。

2.正しい音程で演奏する

三味線はギターと違い、フレットという音の目印がある楽器ではありません。 そのため、押さえる指の位置が少しでもずれると音程が狂い、正しい演奏ができなくなります。

音程が狂うのを防ぐためにも、糸を押さえている位置の音が何の音か常に意識し、正しい音程で演奏しましょう。 音程が分からないという方はチューナを使って、押さえている音の確認をするのもおすすめです。

3.リズム感を養う

常にリズムを意識して練習しましょう。 リズムがよれていると何の曲を演奏しているのか分からなくなります。 多少ミスタッチをしてもリズムが良かったら上手に聞こえます。

なので、リズムのよれを無くすためにメトロノームに合わせて練習し、リズム感を養いましょう。 初心者の方であれば最初はゆっくりのテンポで練習し、徐々にテンポを上げていくのがおすすめです。

三味線を弾く前のおすすめウォーミングアップ法3つ

運動をする前には入念に準備体操をするのと同じように、三味線を弾く時にもウォーミングアップを必ずおこないましょう。

ウォーミングアップをすることで、正しく身体を使えるので、同じ練習メニューでも精度を高めることができます。いきなり曲を弾き始めるのではなく、練習前にはウォーミングアップをするクセを身につけておきましょう。

演奏前に調弦をする

三味線をケースから取り出したら、まずは駒をおいて調弦(チューニング)をしましょう。

構えながらチューニングをするのが基本ですが、初心者の方は無理に構えながらやる必要はありません。調弦に時間がかかってしまう、構えながらだと上手に糸巻きができないという人は床に三味線をおいたままチューニングしたり、対面で調弦をしたりしましょう

三味線を持つことに慣れたら構えの姿勢でチューニングができるように練習してみてくださいね。

右手で撥打ちをする

チューニングが完了したら、次は右手のウォーミングアップです。いきなり曲を演奏するのではなく、まずは撥打ちをしましょう。

撥は卵を握っているように柔らかく指を曲げながら持ち、親指で支えるのがポイントです。胴の真ん中を叩くことを意識しながら、1本ずつ開放弦で鳴らしていきます。

この時、手首に力が入っていないかを確認しましょう。撥を打つ時は手首の振り下ろす動き(ストローク)が重要です。力が入っているとその力が撥を通じて弦に伝わってしまうので、硬い音となってしまいます。腱鞘炎になってしまう可能性もあるので、事前に手首を伸ばすなどのストレッチも取り入れてみるのがよいでしょう。

また、スピード感のある曲を演奏する時こそ右手の脱力感が重要です。ウォーミングアップの段階で力を抜いて演奏できているかをチェックしましょう。

簡単な運指で左手を動かす

右手で撥打ちが終わったら、次は左手を使って指を慣らします。まずは人差し指、中指、薬指を使って棹の勘所と呼ばれる箇所を押さえましょう。

ウォーミングアップでは人差し指でどこかポイントを押さえ、次に薬指も使って別のポイントを押さえるという練習をしましょう。それぞれ三の糸、二の糸、一の糸と順にやっていき、また三の糸へ戻るのを繰り返しをします。各5回ずつ3つの弦を往復しましょう。

運指が変わったり、弦を移動したりしても全部同じ音量で出せているか、リズムに乱れがなく、正確に刻めているかどうかを確認しながらウォーミングアップしましょう。

テンポはゆっくりなテンポにするのがおすすめです。一音一音が正確に出せているかを確認しながら、指や腕をスムーズに動かします。

三味線初心者におすすめな練習曲3選

三味線を始めたばかりの方に、初心者でも弾けるおすすめの練習曲をお伝えします。

1.さくら

「さくら」は4拍子のスローテンポで、1度は聞いたことがある日本の伝統曲です。 複雑な運指も無く、使われている音数も少ないので初心者の方におすすめの練習曲です。

2.島人の歌

BEGINの「島人の歌」はスローテンポかつ覚えやすいフレーズなので、 初心者でも弾きやすい曲です。 BEGINは沖縄の楽器三線で弾いていますが、三味線でも練習できます。

3.千本桜

最後に和楽器バンドがカバーしている「千本桜」を紹介します。 曲の難易度は上がりますが、スピード感もあり難しいフレーズが出てくるので、かなり練習にはなります。 スローテンポの曲に慣れた方はぜひチャレンジして下さい。

Aメロ、Bメロと分けながら練習をするのがおすすめです。

初心者におすすめな三味線の学び方

初心者におすすめな三味線の学び方

これから三味線を学ぶ方は音楽教室でプロから学ぶのがおすすめです。 ネット上には三味線に関する情報がたくさんありますが、初心者が自分で情報を取捨選択するのは難しいところ。演奏したいジャンルによっても練習の仕方は異なるので、効率よく自分が演奏したい曲をできるようになりたいなら人に教わるのが一番です。

また、独学で練習すると間違ったフォームで弾くクセが付いてしまい上達が遅くなることもあります。 そこで、音楽教室では一人ひとりに合わせた練習方法や正しい弾き方を教えてくれるので、上達のスピードが上がります。

効率よく学ぶなら独学よりも教室で習うのがおすすめ

三味線に興味があるけど、敷居が高く難しそうと思っていませんか? 最近は三味線を習える教室も増えており、老若男女問わずさまざまな方が三味線を習っています。

椿音楽教室では、三味線の無料体験レッスンを実施しています。全国に200箇所以上あるスタジオでレッスンを受けられるので、ぜひ気軽に体験をしてみてください。

初心者におすすめな三味線は?

初心者向けのセット販売されているものをおすすめします。金額も比較的安いためまずは三味線に触れてみたいという方におすすめです。ある程度上達してきたら、講師の先生など上級者に聞いてみると良いでしょう。

初心者はどのように三味線を学べば良いですか?

まずは三味線教室などに通い、上級者から直接教えてもらうことをおすすめします。独学であれば費用は最小限に抑えられますが、悪い癖が付いてしまったり、モチベーションが下がってしまうなどデメリットもあります。

三味線初心者におすすめな練習曲を教えてください。

まずは、スローテンポな曲がおすすめです。次の曲を参考にしてみてください。
・さくら
・島人の歌
・千本桜

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