2021.03.31
コントラバス初心者のための選び方や基礎知識について

オーケストラの中でも低い音域の音色を奏で、縁の下の力持ちとして活躍するのが、コントラバスの特徴です。
初心者がコントラバスを始めるときは、コントラバスに必要な道具や正しい選び方についてしっかりと知っておくことが大切です。
今回は初心者に向けて、コントラバスの選び方や基礎知識について解説します。これからコントラバスを始めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
コントラバスはどんな楽器?
まずは、コントラバスの基礎知識を身につけていきましょう。
コントラバスは、弦の数が4本もしくは5弦で構成されるヴァイオリン属の楽器です。胴がなで肩になっている点が特徴で、棹(さお)の方に向かって細くなる構造をしています。
全長は170cm~200cmとかなり大きめのサイズになっています。
オーケストラのなかで際立つ美しい低音を奏でられる楽器で、楽曲に奥ゆかしさをプラスする重要な役割を持っています。
コントラバスの演奏方法
コントラバスを演奏するときは、基本的に立って演奏することになります。
しかし、長い曲を弾くときは演奏者の負担を軽減するために、高めの椅子を使用することも少なくありません。
左手で楽器を支え、親指以外の指で弦を押さえて音程を作り出していきます。
演奏には弓を使いますが、右掌を上にして持つ「ドイツ式」と、ヴァイオリンやチェロと同じように手の甲を上にして持つ「フランス式」の2種類の演奏方法があります。
日本の奏者の間で主流になっているのは、おもにドイツ式の奏法です。
また、弓だけではなく弦を指で弾く「ピチカート」や、弦を引っ張ったり叩いたりする「スラップ奏法」で演奏することもあります。
コントラバスを始めるときに必要なものと平均価格
実際にコントラバスを始めるときは、どのようなものを揃えればいいのでしょうか。
ここからは、コントラバス初心者が揃えておきたいアイテムとその平均価格を紹介します。
コントラバス本体
コントラバスの本体の価格は、ほかの楽器と同様ピンからキリまで幅広く存在しています。
安いものであれば10万円程度から、高いものであれば500万円以上するものまで販売されています。
初心者や趣味程度で始める場合は、そこまで高いものを購入する必要はありません。
しかし、長く演奏できて音質のいいものを求めるのであれば、最低でも50万円以上のものを購入しておくといいでしょう。
まずは安いエントリーモデルを購入してチャレンジしてみて、続けられそうならもう少し高い1本を購入してみる、とステップアップすると失敗が少ないでしょう。
弓
コントラバスを演奏するときは、弓の用意も欠かせません。
弓はブラジルウッド材やヘルナンブコ材などの材質によって金額が異なり、安いものであれば1万円程度、高いものでは数十万円するものまで幅広く存在しています。
弓を選ぶ際は「楽器の価格の3分の1」が目安だといわれていますが、必ずしも値段だけを重視する必要はありません。
棹の硬さや強さ、軽さや扱いやすさを見極め、使いやすいものを選ぶことが大切です。
松脂
松脂とは、松から採れる樹脂を固めたものです。
弓毛のキューティクルの凹凸に松脂を塗ることで細かいギザギザができ、そのギザギザがコントラバスの弦を弾き、音色を奏でてくれるようになります。
コントラバス用の松脂は、太く聴力の強い弦を震わせるために強い粘土が必要とされます。
そのため、樹脂に柔軟剤や鉱物油などを混ぜて、ほかの弦楽器用よりも柔らかく作られている点が特徴です。
松脂の価格は、2,000~5,000円程度が相場になります。
チューナー
チューナーとは、楽器のチューニングをするときに音の高さを確認するために使用する機材のことです。
12の半音がすべてチューニングできる「クロマチックチューナー」や、ギターやベースの開放弦の音だけをチューニングできる「ギター・ベース用チューナー」が販売されています。
初心者のうちは、しっかりとチューニングさえできれば、高額なチューナーを購入する必要はありません。
チューナーは、3,000~5,000円程度で購入可能です。
メトロノーム
リズム感を身につける練習をしたいなら、メトロノームも購入しておきましょう。
常に一定のテンポを刻んでくれるため、リズムが狂うことなく正しい拍で演奏ができるようになります。
メトロノームもチューナー同様、リズムを刻む機能さえ搭載されていれば高額なものを購入する必要はありません。
5,000円程度で購入できるもので十分でしょう。
掃除道具
コントラバスのお手入れをするための掃除道具も、しっかりと揃えておきましょう。
専用の道具はとくに必要ありませんが、汚れと手汗を拭き取るタオルをそれぞれ1枚と、歯ブラシを用意しておくといいでしょう。
いいものを用意しておく必要はないので、掃除道具は500円程度で揃えられます。
初心者がコントラバスを選ぶときのポイント
最後に、初心者がコントラバスを選ぶときのポイントについて解説します。
自分に合った1本を見つけるためにも、紹介する3つのポイントを意識してください。
1.材質
まずは、コントラバスの材質をチェックしていきましょう。
基本的なコントラバスは、表板が「スプルース」、指板が「黒壇」、それ以外の部分が「メープル」で作られています。
安いコントラバスの場合、コストのかからない合板(いわゆるベニヤ板)でできていたり、指板が固めに木を黒く塗ったもので代用されていることがあるため、要注意です。
安いからといって、必ずしも悪い商品というわけではありません。
しかし、安い材質を使っていると故障したときに修理しにくかったり、劣化が早くて使いにくくなってしまう危険性があります。
「どんな材質なのか」「どんなことに気をつけるべきなのか」をしっかりと確認してから購入することが大切です。
2.状態
コントラバスを購入するときは、楽器の状態についてもしっかりとチェックしておきましょう。
とくに、以下の3点は念入りに確認しておいてください。
●駒の高さ
弦が乗っている白いパーツです。高めに調整されていることが多いですが、調整によっては弦が押さえにくかったりビリビリ雑音が鳴ってしまうことがあります。必ず試奏をし、演奏しやすいものを選びましょう。
●ナットの高さ
ナットの高さも、弦の押さえやすさを左右する大切なパーツです。高めに調整されているケースもあるため、購入する際は調整をお願いする必要があります。
●指板の表面
反り具合や指板の表面の状態も、弦の押さえやすさや音色を大きく左右します。初心者が見極めるのは難しいので、店員や経験者の知り合いなどと一緒に確認してから購入することをおすすめします。
3.信頼できるお店かどうか
最後にチェックしておきたいのが、購入先が信頼できるお店かどうかというポイントです。
「プロの奏者の購入実績があるか」「親身に相談に乗ってくれるか」といったポイントを確認しておきましょう。
弦楽器は、常に調整や修理が必要となるデリケートなものです。
購入店は大切な楽器の「主治医」となってくれる存在なので、必ず面倒見がよくて技術力のあるお店から購入するようにしてください。
初心者の基礎知識を押さえてコントラバスを楽しもう!
縁の下の力持ちとしてオーケストラを支えてくれるコントラバス。
まずは演奏方法や選び方の基礎知識を身につけて、自分に合った1本を購入するところから始めてみてください。
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