更新日:2023.06.02
【ピアノクラシック曲】弾けるようになりたい有名な曲17選!
ピアノの演奏にも慣れてきて、「自分の演奏できる曲の幅を広げたい」「有名な曲を演奏できるようになりたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そのような方のために、この記事では、クラシックピアノの有名な曲を17曲厳選して紹介しています。
目次
- 1 ①エリーゼのために/ベートーヴェン
- 2 ②別れの曲/ショパン
- 3 ③月の光/ドビュッシー
- 4 ④ラ・カンパネラ/リスト
- 5 ⑤子犬のワルツ/ショパン
- 6 ⑥ユーモレスク/ドヴォルザーク
- 7 ⑦トルコ行進曲/モーツァルト
- 8 ⑧アラベスク第1番/ドビュッシー
- 9 ⑨亡き王女のためのパヴァーヌ/ラヴェル
- 10 ⑩愛の挨拶/エルガー
- 11 ⑪カノンニ長調/パッヘルベル
- 12 ⑫アイネ・クライネ・ナハトムジーク/モーツァルト
- 13 ⑬平均律クラヴィーア曲集第2巻第1番前奏曲ハ長調/バッハ
- 14 ⑭愛の夢第3番/リスト
- 15 ⑮山の魔王の宮殿にて/グリーグ
- 16 ⑯白鳥の湖/チャイコフスキー
- 17 ⑰ジムノペディ第1番/サティ
- 18 いろいろな曲を弾けるようになりたいのなら
- 19 まとめ
①エリーゼのために/ベートーヴェン
1810年にベートーヴェンが作曲した「エリーゼのために」は、3分程度の短い曲ですが、 ベートーヴェンの作曲した曲の中でも「知名度の高い曲」です。
有名であるために、昔から数多くの優秀な演奏家達が演奏してきました。日本のCMでこの曲が起用されることもありましたよね。そのため誰しも1度は聴いたことのある曲でしょう。
はげしく重めの曲が多いベートーヴェンには珍しく終始穏やかで美しい旋律が印象的です。
比較的、ピアノを初めて間もない方でも挑戦しやすい曲です。
②別れの曲/ショパン
ショパンの作曲した「別れの曲」もクラシックピアノで有名な曲の1つです。
しかし、「別れの曲」という曲名は日本で呼ばれているだけで、正式な曲名は「練習曲作品10第3番ホ長調」であると知っておきましょう。日本では、1934年にショパンの生涯を映画にした「別れの曲」作品で使用されている曲であったために、「別れの曲」と呼ばれています。
正式な曲名にあるように、この曲は練習曲として作曲されました。ピアノを演奏する人の技術を向上させるために作られた曲なのです。しかし、練習曲でありながらも、 切なさを孕んだ叙情的なメロディーや激しく感情的な中間部は、ひとつの小品としても完成されておりコンサートでもよく演奏されています。
この曲で、ピアニストとして1段ステップアップしてみませんか?
③月の光/ドビュッシー
淡い水彩画のような、美しい曲を多数作曲したフランスの作曲家、ドビュッシー。
「月の光」はそんな彼の作品の中でもおすすめしたい曲の一つです。
まさに、静かな夜に、きらきらと月の光が降り注いでいる…そんな情景が思い浮かぶ美しい曲です。
テンポはゆっくりではありますが、実はこの曲左手と右手を合わせて弾いたときの拍子のとりかたが非常に難しいのです。
そのため、ついなんとなくの雰囲気で弾いてしまいがちですが、余計なテンポの揺らぎを加えず楽譜通り演奏することで完成された美しさを表現することができます。
ぜひ、積み重ねた練習の先に、この美しさを感じていただければと思います。
④ラ・カンパネラ/リスト
リストの作曲した「ラ・カンパネラ」も、一度は聞いたことのある有名な曲でしょう。
リストはピアノの魔術師とも呼ばれる作曲家。彼の超絶技巧はとにかくすさまじく 「指が6本ある」と言われるほどでした。
そんな彼の代表曲といえば「パガニーニによる大練習曲」の第3番にあたるこの曲を思い浮かべる方が多いと思います。
はなやかで美しく、誰もが1度は弾いてみたいと思う曲ではありますが、難易度が非常に高くプロのピアニストですら簡単には弾けない曲です。
そんな難曲に時間がかかっても挑戦することで完成したときの達成感は素晴らしいものだと思います。 あるいは、自身のレベルにあったアレンジ譜を使用することでもっと気軽に楽しく演奏することもできます。
ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
⑤子犬のワルツ/ショパン
「子犬のワルツ」はピアノ独奏のために、作曲されたワルツです。
ショパンは、ワルツを複数作曲しておりますが、ほかの曲と比べてもとても明るくかわいらしい印象を与える曲で、犬がグルグルと自分の尻尾を追いかけて回る様子を軽快なテンポと音形で表現しています。
テンポも速く、はじめのうちは転びやすいかと思いますが、この曲が完成したときには、指の力も鍛えられ弾ける曲の幅もぐんと広がるはずです。
⑥ユーモレスク/ドヴォルザーク
ドヴォルザークの作曲した「ユーモレスク」は聞いたことがあっても、曲名を知らない方が多い曲です。
この曲の題名にもある「ユーモレスク」とは、ユーモアと同じ語源であり、ユーモラスで軽やかで陽気な自由な形式の楽曲という意味です。
当時のドヴォルザークが、アメリカからボヘミアに帰る電車の中で見た景色を表しているとも言われるため、その情景を浮かべながら演奏できると、より素敵に演奏できるようになるでしょう。
くるくると回る車輪の様子などを思い浮かべながら、自由に演奏してみましょう。
⑦トルコ行進曲/モーツァルト
モーツァルトの代表曲の1つである「トルコ行進曲」は誰もが聞いたことのある曲です。
ピアノ教室に通って、ピアノを習う際に練習する方も多いでしょう。流れるようなリズムと明るい曲 調が印象的な曲です。
この曲は1783年に作曲されており、モーツァルトが住んでいた当時のウィーンでは、トルコ軍楽が主流であったため、その軍楽を取り入れつつも、個性を表現したこの作品が話題を集めました。
有名なメロディーの部分に注目しがちですが、左手は打楽器を表現していたりと、面白い発見がたくさんある曲です。
ぜひ、本来のトルコの行進曲と聴き比べながら、曲を紐解いてみてください。
⑧アラベスク第1番/ドビュッシー
題名にある「アラベスク」は、アラビア風の曲線美を表す言葉です。このアラベスク模様をイメージして作曲した曲であるとも言われています。
先述した「月の光」と同じく、初期に作曲され、この頃のドビュッシーはモネなどの印象派画家に大きく影響を受けていました。
そのため、ただただ美しく、流れるようななめらかな旋律が特徴の曲です。
この美しい旋律に癒されてみてはいかがでしょうか。
⑨亡き王女のためのパヴァーヌ/ラヴェル
「亡き王女のためのパヴァーヌ」はラヴェルの作曲したピアノ曲で、のちに自身の手で管弦楽曲にも編曲されました。
パヴァ―ヌとは、かつてヨーロッパで普及した行列舞踏のことで、この題名は 「亡くなった王女への葬送の哀歌」ではなく「昔、スペインの宮廷で小さな王女が躍ったようなパヴァ―ヌ」だとラヴェル自身が言及しています。
非常にノスタルジックで、懐かしさを感じる美しい旋律が特徴的で、セピア色の情景が浮かぶような曲です。
⑩愛の挨拶/エルガー
この曲は1888年に作曲されており、エルガーが婚約者に贈った曲とされています。
その婚約者とは、身分の差や宗教の違いから周りからは認めてもらえず、反対を押しきって結婚したのでした。
そういった背景を知った上で演奏すると、よりロマンティックで優美な表現ができるかもしれませんね。
エルガー自身によって、ヴァイオリンとピアノでの演奏用に編曲もされているので ヴァイオリンを弾ける友人と一緒に演奏を楽しめるようになるかもしれませんね。
⑪カノンニ長調/パッヘルベル
パッヘルベルの作曲した「カノンニ長調」も聞いたことのある方が多い有名な曲です。
クラシックピアノの名曲集には、必ずと言っても良いほど収録されていることの多い曲でもあり、卒業式ソングとしても親しまれています。
この曲を作曲したパッヘルベル自信は、あまり有名ではありません。しかし、オルガン奏者としても評価が高く、多くの曲を作曲したと言われています。
⑫アイネ・クライネ・ナハトムジーク/モーツァルト
モーツァルトの作曲した「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」も聞いたことのある方が多い有名な曲です。
この曲はモーツァルトの曲の中でも特殊で、モーツァルトの死後に人気を集めた曲なのです。モーツァルトの曲のほとんどは生前の間から人気を集めていましたが、この曲はモーツァルトの死後、36年後に出版されました。
また、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は5楽章の作品ですが、第2楽章の楽譜が見つかっておらず、一般的に4楽章で演奏されます。
⑬平均律クラヴィーア曲集第2巻第1番前奏曲ハ長調/バッハ
バッハの作曲した「平均律クラヴィーア曲集第2巻第1番前奏曲ハ長調」は、クラシック音楽の愛好家の間でも人気のある有名な曲です。
しかし、曲名にある「平均律クラヴィーア曲集」という言葉の意味が分からずに、何となく避けてきた方も多いでしょう。「平均律」とは調律法の1つで、曲の中で調性を変更しても、美しく響かせることのできる調律の仕方です。
そのため、バッハの高い作曲技術の詰まった曲の1つであると理解できるでしょう。
⑭愛の夢第3番/リスト
もともとは歌曲として作曲したものを、自身でピアノ独奏に編曲しました。
流れるような伴奏に、美しい旋律が調和したロマンティックな楽曲です。
伴奏と言えば左手、旋律は右手、と考えがちですがこの曲の各所では、左手で旋律を演奏します。
普段旋律を弾きなれていない左手で旋律を演奏するのは意外と難しく、とても良い練習になります。
左手で、心地よい低音を響かせることを意識して練習してみてください。
⑮山の魔王の宮殿にて/グリーグ
曲名だけ聴くと、ピンと来ないかもしれませんが、1度は聴いたことがある曲ではないでしょうか。
この曲は組曲「ペール・ギュント」のうちの1曲で、 もともとは管弦楽曲ですがグリーグ自身がピアノ独奏用に編曲しました。
山の魔王とは、妖精トロールの王のことであり、主題の旋律が低音部から響いてくる様は、トロールの王が大きな体でのそのそと近づいてくるような怪しげな雰囲気をまとっています。
他にご紹介した曲とは全く雰囲気の異なる面白い曲です。ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
⑯白鳥の湖/チャイコフスキー
チャイコフスキーの作曲した「白鳥の湖」も多くの人々に愛されている曲です。バレエで使用されることも多いことで有名ですよね。
この曲は当時、「ピアノ協奏曲第1番」で人気を博していたチャイコフスキーに、ボリショイ劇場がバレエ作品として、制作を依頼した曲です。
劇の原作がドイツの童話であり、劇で使用されていた曲であるため、より情景を思い浮かべやすい曲です。
⑰ジムノペディ第1番/サティ
サティの作曲した「ジムノペディ第1番」も人気のある曲で、聞いたことのある方も多いかもしれません。しかし、この曲名や作曲者の名前を知らない方も多くいるでしょう。
この曲は3つあるジムノペディの曲集にある曲の1つですが、その曲すべてで「Lent(ゆっくり)」という速度記号を使っており、穏やかなリズムで幻想的な印象を与えます。
特に、この曲のLentについては「ゆっくりと苦しみを持って」と指示されており、 穏やかながらもどこか寂しい雰囲気をまとっています。
サティの独特の世界観を感じながらぜひ演奏してみてください。
いろいろな曲を弾けるようになりたいのなら
いろいろなピアノの曲を弾けるようになりたいと考えているのなら、音楽教室に通うことをおすすめします。
上記で紹介したように、有名なクラシックピアノの曲だけでもたくさんあります。しかし、そのすべての曲を演奏できるようになるには長い時間をかけて練習する必要があるでしょう。
独学で練習をしていく場合には、その長い時間の練習を続けるだけの高いモチベーションが必要になりますし、間違った練習法をしていたとしてもそれに気づく術がありません。音楽教室に通えば、客観的なアドバイスをもらうこともでき、モチベーションの保ち方なども教えてくれることもあるでしょう。
また、音楽教室に通うなら「椿音楽教室」がおすすめです。椿音楽教室では、プロのピアニストがマンツーマンでレッスンをおこなっており、全国200ヵ所以上にある音楽スタジオでレッスンを受けることができます。
体験レッスンやオンラインレッスンもおこなっているので、一度参加してみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事を読んで、気になるクラシックピアノの曲は見つかりましたか?
たくさんある曲の中から何を選べばよいのかわからない方に、少しでも参考になれば幸いです。
練習する際には、まずは継続することと楽譜通りに正しく弾くことを心がけましょう。それにより、技術も向上しさらに弾ける曲が増えていきます。
ぜひ、ご自身のペースでピアノライフを楽しんでください。
この記事を監修した講師
中尾千聡
楽器
ピアノ
【中尾千聡先生監修コメント】
コラムに紹介した曲は、もちろんその曲だけ独立しているものもありますが、 組曲のうちの一曲だったり、またはピアノソナタの楽章のひとつだったりするものも含まれています。今回ご紹介した曲を入り口として、ぜひその他の曲にも興味を持っていただければ幸いです。