公開日:2020.10.29 更新日:2023.06.02
音痴は直る?音痴の原因とカラオケでも使える歌を上手く歌うコツについて解説!

歌を歌うのが好きで、カラオケで自分のお気に入りの歌を上手に歌いたい、将来音楽関係の仕事に就きたいという人のなかには、音痴で悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
自分で音痴だと自覚しているケースと、他人から指摘されることが多く悩んでいるケースなどさまざまでしょう。しかし、音痴はトレーニングをすることで改善できる可能性があります。
音痴を直すためには、音痴の原因を知り、毎日正しい方法でトレーニングをすることが大切です。上手に歌えるようになれば、自分の歌声に自信を持って、楽しく音楽と触れ合えるようになります。
本記事では、音痴の原因や音痴を直すためのトレーニング方法、歌を上手く歌うコツについても紹介します。
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目次
音痴のメカニズム
そもそも音痴とは正式には「先天性音楽機能不全」といいます。曲のメロディを歌おうとした時、音の高い低いを歌い分けられなかったり、音の感覚が鈍い場合に音痴と呼ばれることがあります。
音痴の種類
一言に音痴と言っても、実は2種類に分類できます。
1つは先天性のものです。先天性の音痴は音感があり、自分が出した音が伴奏とずれていたり、人と異なることに気づきます。
2つ目は後天性のものです。後天性の音痴は音程が外れているのかが分かりません。ずれていると言われても何がずれているのか分からなかったり、他の人のメロディーと自分のメロディーが一緒に聞こえたりします。
音痴になっている2つの原因とは
音痴になってしまうのは、主に2つの原因があるとされています。
- 耳が悪くて、正しい音程が分からない
- 音程はわかるが音程をコントロールして表現できない
自分に当てはまるものはないか確認してみてくださいね。それぞれ詳しく解説していきます。
1.耳が悪くて、正しい音程が分からない
耳が悪い人は感受性由来のもので、耳音痴とも呼ばれ、正しい音程を認識することができない人のことを指します。先述した後天性に分類されます。このようなタイプの人は、自分が歌っている曲の音程が外れていることに気づきません。
親しい友人や周囲の人から指摘されて、初めて気づくことが多いでしょう。
2.音程はわかるが音程をコントロールして表現できない
音程をコントロールできない人は運動性由来のもので、自分の声の高さを耳で判断し、正しい音程がわかっていても、正しい音で発声できないタイプです。音程音痴とも言われます。音程が分かる場合は先述した先天性の音痴に分類されます。
音程音痴の人は声帯をコントロールするのが上手ではなかったり、出そうと思っているのに違う音が出たりする場合があります。頭で理解している音を出せない場合、喉頭の筋肉の動かし方や、音程をつかさどる裏声の使い方をトレーニングする方法が有効です。
また、出せる声幅が狭いために、音痴だと感じたり指摘されたりする人もいるでしょう。このような人は発声音痴に分類されます。
こういったタイプの人は、自分の音域にあう曲を歌えば、音痴になることは少ないです。歌いたい曲が、自分の音域より広い場合は、音域を広げ、音程をコントロールするためのトレーニングをする方法が有効です。上記原因のいずれか、もしくは全てに当てはまるといったケースもあるでしょう。
原因を特定することで、自分にあった音痴の治し方につながります。
音痴を改善するトレーニング方法1:歌声の高さを知る
自分の歌声の高さがわからず、音程がうまく取れない場合、音程が合っているのかを判断するのが困難でしょう。
その場合は、他人に正しい音程をサポートしてもらいながらトレーニングを行います。
他人の音程を聴き取る
自分の歌声は、骨の振動が影響し、聴き取りにくいのです。
そのため、他人の音程を聴き取るトレーニングから行いましょう。
協力してくれるサポート役に、2回同じ音程で声を出してもらい、2回とも同じ音程なのか、違う音程なのかを聴き分けてみましょう。
自分の音程を聴き分ける
他人の歌声の音程を聴き分けられたら、自分の歌声を聴き分けるトレーニングをしましょう。
母音で声を出して、サポート役に同じ音程で声を出してもらいます。次に、サポート役に母音で声を出してもらい、自分が同じ音程で声を出します。繰り返し行うことで、自分の歌声の音程が取れるようになり、声の高さも理解できるようになるでしょう。
耳で聞き分けながらトレーニングをする際は楽譜を用意するのがおすすめです。楽譜が読めなくても、音が高くなっているのか低く変化しているのかを視覚的に判断することで、音の聴き分けがしやすくなりますよ。
音痴を改善するトレーニング方法2:裏声を出す
音痴の人は、音程をコントロールするための筋肉が動いていない可能性があります。
そのため、自分のあごや声の状態を確認してから、裏声を出せるようトレーニングをする方法が有効です。
正しい裏声が出せずに音程が取れない人の特徴として、
- 裏声を出しにくい、または出すのが苦手
- 地声と裏声の境目がなく裏声も力んでしまう
- 地声が息っぽくなっている
- 裏声が出るが地声から裏返すのが苦手
などが挙げられます。 すべての項目に当てはまる場合、地声と裏声を分けて出せるようにしてからそれぞれを鍛えていくことが大切です。
息を吸いながら声を出す
裏声が全く出ない場合は、息を吸いながら声を出す練習をします。引き笑いのように短く強く息を吸いながら声を出せるようにしていきます。はじめは難しいですが段々とできるようになっていきます。できるようになったらその感覚のまま同じ出し方で息を吐きながらもできるようにしましょう。その状態が裏声の感覚です。
サイレンのように声を出す
裏声を出す感覚がわかる人は、出しやすい高さでパトカーのサイレンのように音程をつけずに Wo〜と出しながら音程を上下に揺らしてみましょう。あるいは、歓声をあげるときのように Fu〜と声を出してみるのもリラックスした裏声が出しやすくなります。
Wo や Fu は裏声を出しやすい発音です。まずは小さな声でもリラックスした裏声が出せるようにしておきましょう。それができるようになったら、より高い音が出せるようにしたり、裏声のまま地声の音域まで下がっていけるようになると音程のコントロールは改善されます。
音痴を改善するトレーニング方法3:舌の力みをとる
裏声が出せないことや音程のコントロールを難しくしていることとして舌の力みが喉頭周辺の働きを悪くしていることが考えられます。舌が力んでしまうことで自分の声の響きが感じられないため、正しい音程を歌えているのか、間違っているのかすらチェックすることが難しくなります。
舌の力みをチェックする方法には、舌先を下唇が隠れるくらい出し、アイウエオの母音をスムーズに言えるか確認してみましょう。舌の横幅は広めに保ち、母音によって舌が動いたりしないかがポイントです。
母音がスムーズに発音できなかったり、舌が引っ込んだりする場合は力みが強い証拠です。舌を出したままでもスムーズに母音が発音できるように練習することで力みが改善され、音程のコントロールの改善にもつながります。
歌うときに「ら」や「る」、「ほ」や「は」などの言葉で歌うのもおすすめです。変に力が入らないので、舌の力を抜きやすくなります。
音痴を改善するトレーニング方法4:音感を鍛える
音痴を改善するトレーニングの1つとして、音感を身につけるトレーニング方法が挙げられます。 子どもの頃から歌や楽器に触れていなければ、音感を身につけるのは難しいですが、音程とは記憶でもあります。
つまり、脳が成長する子どものときに音感が身についていれば、子どもの頃の記憶をもとに正しい音程を判断できる絶対音感が身につくという仕組みです。 大人の場合は、子どもほどスムーズに絶対音感を身につけるのは難しいです。
ですが、歌声の高さを知るためのトレーニングや、裏声を出すトレーニングを繰り返すことで、ある程度の音感を身につけることは可能です。 音階を理解できるようになれば、音痴も改善されるでしょう。
音痴を改善するトレーニング方法5:カラオケアプリを活用する
スマートフォンやタブレットで利用できるカラオケアプリが配信されています。 カラオケアプリによって機能性は異なりますが、基本的には自分の歌声を録音し確認することが可能です。録音することができるので、自分の歌を客観的にチェックすることができますよ。
また、キーを変更する機能があるものも存在します。 自分に適していない音域の歌を歌っているために「自分が音痴だ」と勘違いしているケースもあるため、自分に適した音域を探すという意味でもカラオケアプリで気軽に歌の練習をするのがおすすめです。
カラオケで歌を上手く歌うコツ6選
音痴の人が音痴を改善するためのトレーニングのほかに、簡単に実践できるコツを6つ紹介します。 カラオケや趣味のコーラスサークルなどを楽しみたい人は、すぐに実践できる歌が上手くなるコツを実践しましょう。
1.自分の声を録音する
自分の歌声を録音することによって、自分の歌声を客観的に確認できます。 音痴は、音程だけでなく声質も影響しているため、自分の歌声を聴いて直さなければならない部分や、自分に適した歌は何か、また、声の出し方の改善点をチェックすることが大切です。 自分の音程や歌声を研究するためにも、録音することが大切です。
2.好きな歌を繰り返し聴く
カラオケで歌いたい曲を繰り返し聴くことによって、歌詞と音楽を覚えられます。 暗記することによって、どこで息継ぎをすればよいのか、どこがアクセントになるのか、どこで音階が大きく変わるのかなどを自然に理解できるため、上手に歌うためのポイントを見つけられるでしょう。
難易度が高い曲にチャレンジするのではなく、比較的歌いやすい曲の中から1つ曲を選びます。焦らず少しずつ、歌声を直すことが重要です。
3.体を使って歌う
歌にはテンポやリズムがあるため、体を使ってテンポとリズムに乗りましょう。 背中を動かして歌うことでより発声がしやすくなるので、背中でリズムをとることを意識してみてくださいね。
体を動かすことによって、喉だけで歌うよりも力強い歌声が出せます。 背中の筋肉を上手に使うためには、片足立ちをするのがおすすめ。片足立ちをすれば、体に余計な力が入らないので、その分声を出しやすくなるでしょう。
自分の声だけでテンポに乗るのは難しいと感じている人は体全体を使うことを意識してみてくださいね。
4.マイクの位置と姿勢を意識する
歌を歌う際には、猫背にならないこと、マイクの位置は口と平行になるように保つことが大切です。マイクを口と並行の高さまで持ってくることで声の通り道を潰さないので、スムーズに歌を歌いやすくなります。
また、猫背にならないように直立し、顎を引いて前を見て歌いましょう。 顎を引くことによって高音が出やすくなりますよ。
そして、マイクの集音部分を口に向けて歌うのもポイント。 集音部分を口に向ければ音をしっかり拾えるようになり、歌声が聴き取りやすくなります。手で覆い被せないように注意しましょう。
5.声のボリューム上げる
カラオケで歌を歌う場合は、遠くに向かって声を出し、歌うようにするだけで声量が上がります。 また、舌や喉に力を入れずにリラックスした状態で歌いましょう。 力を入れると声帯が振動せず、高い音や大きな声が出ません。
喉ではなく、腹筋を使って声のボリュームを上げ、声が遠くに届くように意識します。 腹筋を使った腹式呼吸で歌うためには、肩幅の広さに足を開いて、力を抜いた姿勢で直立し、握りこぶしをみぞおちに置き、もう片方の手を拳に添えて軽く押しましょう。
腹筋を使って拳を前に押し出すようにして、口を開けて発声します。 ただし、お腹が前に出ていたり、腰が曲がっていたりする状態では腹式呼吸で歌えないため、背筋を意識することを忘れないようにしましょう。
6.歌う前にストレッチをする
音程が取れる人は、口で歌うのではなく全身を使って歌っていることが特徴です。 呼吸のために重要な肺と肩甲骨が動くように意識します。 肺と肩甲骨が密着している状態では浅い呼吸しかできず、十分に声が出ません。 歌う前に肩甲骨を回すようにしてストレッチをして、声が出やすい状態にすると音程を取りやすいでしょう。
音痴を改善したいならボイストレーニングに通おう
「音痴を直して正しい音程で歌えるようになりたい」「自分らしくのびのび歌いたい」と思うなら、ボイストレーニングに通ってプロに指導をしてもらうのもおすすめです。
正しい声の出し方や腹式呼吸の仕方といった基礎はもちろん、歌い方や声の出し方を見てあなただけのアドバイスがもらえますよ。
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まとめ
音痴の原因を知り、音痴を改善するためのトレーニングや、歌が上手くなるコツを押さえた練習をしましょう。 そうすることで、カラオケが苦手と感じている人や歌手を目指したいと思っている人も自信を持って歌えるようになります。 音楽を楽しむために毎日トレーニングを行い、気持ちよく歌えるように努力しましょう。
- 音痴の原因はどのようなことが考えられますか?
-
音痴になってしまう原因は次の3つが考えられます。
・耳が悪い
・音域が狭い
・音程をコントロールできない - 音痴は治すことができますか?
-
改善することはできます。次の5つのトレーニングを試してみましょう。
・歌声の高さを知る
・裏声を出す
・音感を鍛える
・舌の力みをとる
・カラオケアプリを活用する - カラオケで歌をうまく歌うにはどうすればいいですか?
-
次の6つのコツを実践してみましょう
・自分の声を録音する
・好きな歌を繰り返し聞く
・体を使って歌う
・マイクの位置と姿勢を意識する
・声のボリュームを上げる
・歌う前にストレッチする
【佐々木純先生監修コメント】
多くの音痴は治せることが多いです。音痴の原因が何かを知り、それにあった解決法に取り組むことで改善され る可能性があります。実は音痴でなかったと思われる方もいるかもしれません。ぜひ楽しみながら取り組むこと をおすすめします。
この記事を監修した講師

佐々木純
楽器
声楽