更新日:2024.09.19
DTM初心者は何から始めればいい?始め方や必要なものを紹介

パソコンやスマホから簡単に作曲ができるのが、DTMの魅力です。
近年は初心者でも簡単に始められるソフトが増えてきており、趣味としてDTMを楽しんでいる人も少なくはありません。
DTMは手軽に始められるとはいえ、初めてだと「どんな機材を揃えたらいいのか」「どんな方法で練習していけばいいのか」など、疑問点がたくさん出てくると思います。そこで今回は、初心者に向けてDTMのはじめ方について解説します。
目次
DTMってどんなもの?
DTMは、「Desk Top Music(デスクトップミュージック)」の略称です。
パソコンを使って音楽を制作することを意味しています。
- ソフトに打ち込みで楽曲を制作する
- ギターやボーカルなどの楽器や音声録音する
- パソコンに取り込んだ楽器や音声の音量やエフェクトを調整する
上記のような、パソコンで作業するすべての全般作業をDTMと呼びます。ソフトウェアや機材のことを指すわけではないため、注意してください。
ちなみにDTMは、海外では使用されていない日本独自の言葉です。海外では、「ホームレコーディング」や「コンピューターミュージック」といった言葉がDTMと近い意味合いを持っています。
DTMを始めるときに揃えておきたい機材
DTMを始めたいと思ったときは、どのような機材を揃えればいいのでしょうか。
まずは、DTMに必要な機材を5つ紹介します。
1.パソコンとDAWソフト
DTMを始めるにあたって最低限揃えておきたい機材は、パソコンとDAWソフトです。
極論を言うと、この2つだけ揃えられればDTMを始めることができます。
用意するパソコンは、WindowsでもMacでも構いません。
ただし、Macは始めから音楽制作ができる「GarageBand」というソフトが搭載されているため、より手軽にDTMが楽しめるところが大きなメリットです。
ノートパソコンでもデスクトップパソコンでも作業は可能ですが、ソフトをスムーズに動作させるためにもCore i5・8GB以上のものを選んでおくようにしましょう。
DAWソフトは、パソコンで打ち込みや録音、ミックスなどの作業をするためのソフトのことを指します。
さまざまなソフトが提供されていて、最近は無料のものもあるので「本格的に始める前にちょっと触ってみたい」という人は気軽にダウンロードしてみるといいでしょう。
必要な機能や製品の特徴をよく比較し、より使いやすいものを購入するようにしてください。
近年は、スマホで簡単に楽曲制作ができるアプリも提供されています。
DAWソフトに比べると直感的に操作できて価格も安いので、アプリから始めてみるのも選択肢の1つです。
2.オーディオインターフェース
オーディオインターフェースとは、楽器や音声などで録音した音をパソコンに取り込む役割を果たす機器です。
また、音質をキープしたり音の遅延(レイテンシー)を防いだりする役割も持っています。
制作した音楽などを出力するときに、オーディオインターフェースを通してイヤフォンやスピーカーをつなげると、楽曲制作に最適な音で再生してくれます。
パソコンのヘッドフォン端子からの出力で十分な場合や、楽器や音声を録音することがない場合は、必ずしも必要な機材ではありません。
まずはオーディオインターフェースなしで制作を進め、必要性を感じたときに追加で用意してもいいでしょう。
3.MIDIキーボード
MIDIキーボードは、キーボードで打ち込みをしたいときや、ソフトシンセとよばれるDAW上の音源を演奏するときに使用する機材です。
打ち込みをするときにマウスでポチポチと地道に打ち込む作業を簡略化できるため、効率よく楽曲制作をするときに役立ちます。
必ずしも必要ではありませんが、持っていると作業効率がグッと上がります。できることなら購入しておきたい機材です。
4.スピーカーやヘッドフォン
スピーカーやヘッドフォンは、本格的にDTMをするときに揃えておきたい機材です。楽曲制作で細かい音の定位感やリバーブをチェックするときに、スピーカーやヘッドフォンは欠かせません。
市販の音楽鑑賞用のスピーカーでは楽曲を正しくモニターできないため、音の加工が少ないモニタースピーカーやモニターヘッドフォンが必要となります。
スピーカーとヘッドフォンでは音の出方が異なるため、念のため両方揃えておくようにしましょう。
5.マイク
音声を録音するときは、マイクも揃えておきましょう。ただし、一口にマイクと言っても2つの種類があり性能が異なるため、使用用途に合わせて最適なほうを選ぶことが大切です。
- ダイナミックマイク
大きな音の録音やライブの使用に適した、耐久性が高いマイク
- コンデンサーマイク
繊細な音の録音やレコーディングの仕様に適したマイク
どちらがいいか迷ったときは、本格的なレコーディングにも使用できるコンデンサーマイクがおすすめです。
初心者がDTMで音楽制作をする手順
DTMの機材が揃ったら、基本的な操作を学ぶためにも1曲作成してみましょう。
しかし、音楽の知識や楽器の経験があっても、いきなりオリジナルで作曲しようとすると挫折してしまう恐れがあります。ここでは、初心者がDTMで音楽制作をする手順を解説します。
参考となる曲を探す
まずは参考にする曲を決めましょう。DTM初心者が1から作るのは、ハードルが高いです。DTMだけではなく、音楽理論もあまり理解していない場合は、さらに難しくなります。
参考にする曲は、話題の楽曲や人気の曲、好きな曲などなんでもOKです。「真似をしたら作曲とはいわないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、プロでも作曲の際に完成のイメージに近い曲を参考にするのはよくあることです。これをリファレンスと呼びます。
コード進行を把握する
参考にする曲が決まったら、コード進行を調べましょう。アレンジをしてもいいですが、コード進行に著作権はないため、同じように打ち込んでも問題ありません。
コードは2つ以上の音が重なった状態のことで、一般的に3つまたは4つの音が使用されます。
コードの構成音が分からない場合は、ネット上で検索してみましょう。また、DAWソフトにはコード名を選択するだけで打ち込みできる機能があるので活用するのも1つの方法です。
楽器は一般的にどのDAWソフトにも付属しているピアノを使用してみましょう。
メロディーを作成する
コードの打ち込みが終わったら、メロディーを作成します。最初はコードに含まれている音を使ってメロディーを作成するのがおすすめです。
メロディーに使用する楽器はたくさんあるため、まずはピアノやシンセサイザーなどを使用するといいでしょう。
ベースを作成する
コード進行とメロディーができたら、ベースを作成します。低音のベースは楽曲全体を安定させてくれるため、曲にまとまりが出ます。ベース作成は簡単で、コードの一番下の音をコピーするだけです。
リズムトラックを作成する
リズムトラックはドラム音源を使用します。ドラムの基本的な構成は以下の通りです。
- バスドラム
- スネア
- タム
- ハイハット
- シンバル
一般的にバスドラムとスネア、ハイハットでビートを作ります。最初のうちはドラムの音を聞いて打ち込むのは難しいため、音源サンプルを使用するといいでしょう。
ミックス・マスタリングをする
最後にミックス、マスタリングを行います。
ミックスとは、ボーカルやギター、ベース、ドラムなど、分割して作られた各パートのバランスを調整したり、EQやコンプレッサーを使用してエフェクトしたりする作業のことです。
マスタリングとは、ミックス後にオーディオバランスを整えることです。どのような環境で再生してもきれいに聞こえるように、最終調整を行います。
DTMで作曲するポイント
「DTMを始めてみたけど上手く音楽制作ができない」と諦めてしまう方も少なくありません。しかし、ポイントを押さえておけば、上手くいかないときも原因が分かり、問題を解決しながら作曲に取り組めます。
初心者がDTMで作曲するポイントは以下の通りです。
- 基本的な音楽理論は先に勉強する
- まずは最低限の機能を把握する
- 必要に応じて機材を増やしていく
ポイントを具体的に解説します。
基本的な音楽理論は先に勉強する
最近の作曲ソフト(DAW)は、初心者でも作りやすいようにさまざまな機能が搭載されています。DTMの機材に慣れることも大切ですが、ソフトウェアの使い方を覚えることを優先してしまうのはよくありません。
最初のうちは楽しく創作できますが、ある程度の音楽理論がないと作曲の効率が下がり、オリジナリティに欠けます。
DTMで作曲する際は、基本的な音楽理論を先に勉強しましょう。音楽理論には、音階や音程、楽譜の読み方と書き方、リズム、コードの知識や、クラシックやジャズなどジャンルの特徴などがあります。
短期間ですべてを覚えるのは難しいため、DTMでは以下の音楽理論に注目するといいでしょう。
- コード進行の知識
- メロディーの作り方
- 編曲の仕方
- 楽器の種類と役割
「オリジナルな曲を作るのだから、型にはまりたくない」という考えの方もいるかもしれません。
しかし、基本を知らないと、既に存在しているものなのか、斬新なアイデアなのか判断がつきません。新しいものを生み出すには、基礎をしっかりと理解し土台を作ることが大切です。
まずは最低限の機能を把握する
DAWソフトはさまざまな機能が付いています。無料のソフトであっても、初心者には充分すぎるくらいです。
DTMの操作に慣れてきて、物足りないと感じてから有料ソフトを購入しても問題ありません。まずは、最低限の機能を把握するところからスタートしましょう。覚えておきたい機能は以下の通りです。
- 再生、停止、テンポ変更の仕方
- 音源ソフト(プラグイン)の起動方法
- 音量の調整方法
- MIDIの打ち込み方法
- 音源の書き出し方法
このほかに「Ctrl+C(コピー)」「Ctrl+S(保存)」などのショートカットキーを覚えておくと、作業スピードがアップします。
必要に応じて機材を増やしていく
DTMに必要な機材は最初に紹介した通りですが、すべてを揃える必要はありません。まずはパソコンとDAWソフトがあれば、DTMが始められます。DAWソフトも最初は無料のもので構いません。
パソコンを所有していない場合は、初期費用として10~30万円ほどかかるため、必要に応じて機材を増やしていくほうが賢明です。可能であれば、最初からスピーカーとヘッドフォンがあると便利でしょう。
MIDIキーボードがあるとマウスで打ち込むよりも作業時間を減らせるため、予算に余裕があれば購入をおすすめします。
オーディオインターフェイスとマイクは楽器や音声を録音する必要がなければ、あとで購入してもいいでしょう。ネット上に無料のプラグインもあるからです。
DTMの初心者にはコピーからスタートする始め方がおすすめ!
スマホやパソコンで簡単に楽曲制作ができるDTMは気軽に始めやすいため、楽曲制作の初心者にも非常におすすめです。
とはいえ基本的な音楽の基礎知識がないと楽曲制作をするのは難しいので、好きな楽曲のコピーをしながら音楽の基礎やDAWソフトの使い方を身につけていく練習法がおすすめです。
よりじっくりと音楽理論や楽曲制作を学びながらDTMを練習したい人は、専門の音楽講師からレッスンを受けるといいでしょう。
椿音楽教室ではDTMの初回無料体験レッスンを開講しているので、興味がある人はお気軽にお問い合わせください。
DTMに関するよくある質問
DTMとは?
DTMは、「Desk Top Music(デスクトップミュージック)」の略称です。パソコンを使って音楽を制作することを意味しています。
初心者はどのようにDTMを学べば良いですか?
まずはDTM教室などに通い、上級者から直接教えてもらうことをおすすめします。独学であれば費用は最小限に抑えられますが、悪い癖が付いてしまったり、モチベーションが下がってしまうなどデメリットもあります。
DTMを始めるときに必要なものはなんですか?
基本的なアイテムは次のとおりです。
- パソコン
- DAWソフト
- オーディオインターフェース
- MIDIキーボード
- スピーカーやヘッドフォン
- マイク
参考:レッスンを始める前に知っておきたい5つのこと|シン・東京音楽教室
この記事を監修した講師

齋藤央征
楽器
DTM
【齋藤央征先生監修コメント】
DTMは、趣味として比較的手軽に始めることができます。作曲をしたことが無くても、音楽経験が無くても大丈夫。PCにDAWをインストールした時点で、もうあなたは作曲家の卵です。最近話題のボカロPも始まりは一台のPCから。あなたも自分の新しい可能性を探してみませんか?