【PINKIE.ワンマンライブ】~椿音楽教室~

ワンマンライブという響きは、あらゆるバンドマンにとっての憧れの言葉ではないだろうか。

　ワンマン、というのだからその日のライブハウスには一つのバンドだけを見にお客さんたちが訪れるのだ。対バンと呼ばれる２バンド以上のライブで集客を図り、より多くの人間に自分たちのサウンドを聞いてもらっているバンドマンの目標は、ワンマンで客席を埋め尽くすことだろう。

　さて、筆者が通っていた音楽学校には声優を養成するコースも存在しているのだが、そんな声優を志す学生たちの中で、卒業を機にワンマンライブを敢行した者達がいる。

　それが、女子二人組のユニットPINKIE.(ピンキー)だ。

　ライブは去る3月の末に行われたのだが、彼女らがライブを行うと聞いた時から必ず見に行こうと思っていた。

　もとより筆者も自作曲のボーカリストでPINKIE.を起用したことがあったので、これは見逃すわけにはいかない。

　PINKIE.の二人は今回が初のワンマンライブだそうで、できるだけ多くの人に見てもらおうと様々なPRを打ち立てていた。フライヤー製作やSNSなどでの積極的な宣伝。

　だがなによりも私が嬉しかったのは、PINKIE.のライブ時に先述した私の自作曲の宣伝をしてくださったことだ。

　ライブ当日、観客は述べ30〜40人ほどいただろうか。そのんななかPINKIE.の楽曲宣伝トークと共に私の楽曲がBGMとして流れたのだ。これほど嬉しいことはない。今まで私が活動してきたなかで一番のプロモーションであった。後輩の成長を見に来たはずなのに、なぜか筆者が一番感動していた。

　ライブ内容は、既存曲とオリジナル楽曲を織り交ぜた楽しくも初々しいライブで、バックバンドも素晴らしかった。

　声優という、声で演技をする彼女達は、今後難しいことや壁に突き当たることもあるだろうが、この日のライブで私をはじめとした様々な人たちに感動を与えてくれたことを忘れないで欲しいと思う。