【ティンホイッスル】~椿音楽教室~

映画界に金字塔を打ち立てた名作「タイタニック」。その主題歌であるセリーヌ・ディオンの「My Heart Will Go On」では、冒頭に印象的な笛の音がかかる。おそらく、誰しも一度は聞いたことがあるのではないだろうか。

　だが笛の音が有名になって行く中、この音をどの楽器が奏でているのかは、実のとこらあまりにも知られていない。

　それが、アイルランド楽器のティンホイッスルなのである。

　筆者はもともと今から二年前に、先述したタイタニックの主題歌のような楽曲を作りたくて、初めてティンホイッスルを買った。サックスのような移調楽器だったので試しにD管を買ってみたのだが、これがなかなか面白い。

　リコーダーに構造が近いため、誰でも息を吹き込めば音が鳴ってくれるし、運指もさほど難しくない。なので、触った瞬間から簡単な曲ならいきなりさらっと吹けてしまう。しかも音色が優しいのだからこれがはまらないわけがない。

　近年のアニメやドラマの劇伴などでもティンホイッスルの音色を各所で聞くようになった。NHKドラマの「精霊の守り人」や、アニメ「アルスラーン戦記」などだ。

　親しみやすい音色と誰でも簡単に始められる手軽さが、この楽器の魅力なのかもしれない。

　初めてティンホイッスルを買ったのが二年前だと言ったが、実はつい最近、新しい２本目のホイッスルを通販で買った。

　今度はD管よりも半音高いEs管である。このEs管ティンホイッスルまた新しい曲を随意製作中なのだが、皆さんの耳に届く日が待ち遠しい。

　ちなみにティンホイッスルは楽器の構造上、クロマチックな動きが苦手なため、C,D,Es,F,G,A,Bb、とほとんどすべての音階のホイッスルが用意されている。それらを駆使して、あらゆる調の楽曲に対応するのだ。そこはハーモニカと似ているかもしれない。

　ティンホイッスルは、楽器の中でも廉価で手に入るのが特徴と言えるだろう。ティンホイッスル専門のインターネットサイトも複数あるので、検索してみてはいかがだろうか。安いものだと2,000円前後で購入することができる。