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Staff Blog

更新日:2017.05.08

【ご縁】~椿音楽教室~

音楽の仕事をするにはもちろん、実力が大前提の「だ」の字であることは間違いない。だが、どれだけ優れた技術を持っていても、やはり一緒に仕事をする「人の横のつながり」が、音楽で生きていく上で一番重要なのではないか、と思い始めている。

 この数ヶ月で、筆者の周りに恐ろしいほどのご縁がたくさん巡ってきたので、感謝の意も込めつつぜひ語っていきたいと思う。

 筆者は少し前まで学生の身分で、作曲家として就職をするのか、事務所に所属するのか、はたまたフリーランスになるのか全く決めかねていた。決めかねていたと言いつつ、少し前から軽く声のかかっていた事務所さんか、かねてより夢であったゲーム音楽を扱う事務所さんにお世話になろうかな、とフラフラ漠然と考えていた。

 しかし、「試しに一曲作ってみよう。資料を送るよ」と言ってくださっていたゲーム音楽の事務所さんとのご縁が、ひょんな事から切れてしまったのである。これは困ったなと思い、もう一方の事務所さんにコンタクトを取ったものの、筆者の曖昧な方向性が災いし、「もう少し進路を考え直して見たらどうか」と言われたのである。

 今思えば、実にごもっともなお言葉だった。その時の筆者は音楽を〝仕事〟として行うにはあまりに覚悟が足りなかったというか、一緒に仕事をする仲間としてはとてつもなく心許なかったことは間違いない。

 だが、その当時の私はさぞ混乱してしまい、さていよいよフリーランスになったらどうやって仕事を取って暮らしていこう? ……と、途方に暮れていた。

 そんな矢先である。学校でのとある授業の先生が、私が教室からの去り際にふと、劇団の裏方に興味はあるか、と聞いて来た。

 質問の意図はよくわからなかったが、もしかしたら1日だけ何かの本番で人手が足りないのだろうか、劇団は元々好きだったし、もしかしたら1日手伝えばご飯でも奢ってくれるかもしれないぞ、と思い。即答ではいと答えた。

 話を聞いてみると、実際のところ予想通りだった。数ヶ月後にある劇団の公演本番の裏方をやってほしいとのことだ。

 ……転機がやって来たのは、その一ヶ月ほど後だった。

「今度の公演、君と二人で音楽つけることになったから」

 ……一瞬何を言われたのか全くわからなかった。が、どうやら音楽を頼んでいた別の方が事情で音楽を作れなくなってしまったらしい。その仕事が私たちに回って来たということらしかった。

 そう、学生卒業間近にして、まさかの劇伴デビューである。同じフリーランスとはいえ、仕事があると都内とでは雲泥の差。急転直下の展開であった。

 もしもあの時、先生が私に声をかけていなかったら、もしもあの時、私が即座にはいと返事をしなかったら……。

 ご縁とは、いつ巡ってくるのかわからないものである。

 

 

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