更新日:2017.11.06
【楽器の生音と打ち込みの音の違い】~椿音楽教室~

今はPCなどで誰でも音楽制作ができるようになった。 打ち込めば、様々な楽器の音で音楽が流れる。
音源のソフトもたくさん販売されていて、楽器の生音をサンプリングした音源を使用すると 綺麗な音色にうっとりする。
しかし、いくらサンプリング音源を使用していたとしても、楽器の生演奏には到底かなわないという現実がある。 作曲を志す人には、鍵盤で打ち込んだだけで満足して欲しくはない。
確かに、打ち込めばそれなりに聞ける仕上がりにはなる。
しかし、では作った曲を実際に楽器で演奏してみよう、となった時に困る場合がある。音域を越えた音があるので演奏できない、といった事態だ。
DTMではその楽器が出ない音域の音まで出てしまうという欠点がある。 (ただし実際の生音を使用しているサンプリング音源であれば、音域を越える音を打ち込もうとしても出ない)
楽器にはそれぞれ音の出る範囲があり、例えばトランペットの場合、一般的なB♭管では、記譜上ではファ♯が最低音である(実際の音はミだが)が、DTM上ではそれを越える音も出せてしまうのである。
せっかく作った曲を、演奏家の方に「この音は出せません!」と言われる状況にはなりたくないものだと思う。 作曲は、あらゆる楽器の特徴を把握していなければならない。とんでもない苦行である。
音域以外には、奏法。こちらも楽器によって様々である。
例えばバイオリンでもスタッカート、ピチカート、トリル、トレモロなどたくさんの奏法がある。 音源の中に様々な奏法に対応しているものもあるが、生演奏で感じられる抑揚を打ち込みで表現するのは難しい。
打ち込みでは、オートメーションといって、音量、ピッチなどを曲中に自由に変化させることができる。打ち込んだ機械的な音を、自分の手で「バイオリンらしく」抑揚をつけていく。 これがまた大変な作業である。
演奏してもらえば一瞬で(?)終わるものをDTMでやろうとすると、どれだけ時間がかかるか…。 果てしない地味な作業である。
以前、自分の自作曲を弦楽器の演奏家の方々に弾いてもらう機会があった。 第一バイオリン、第二バイオリン、ビオラ、チェロ。いわゆる弦楽四重奏、カルテットである。
譜面は自分で作成しなければならないし、各パートの方にお渡しする用のパート譜も必要だ。
第一バイオリン、チェロはともかく、第二バイオリンとビオラをどうしたらいいのかは悩むところである。 音の積み重ね、音の流れ。和声法や対位法の知識も必要になる。
プロの演奏家の方に「ここはこうした方がいい」と非常に参考になる意見をいただけることもある。
自作曲をプロの方に演奏してもらえるのはすごくいい体験である。 生音の綺麗さには鳥肌が立つし、自分の曲を目の前で演奏してもらえるのは感動ものである。
打ち込みではのっぺりとしてしまうこともあるが、打ち込みでは感じないリアルさ、臨場感。これは生演奏ならではである。
「この部分は切なくお願いします」などと言った要望にも応えてくれる。
生演奏を通じて気づく、生音と打ち込みの違い。楽器の偉大さを改めて感じる。
しかしそれは、生音には敵わないけれども、近づけるにはどうすればいいのか挑戦できるということでもある。
作曲をする人には、楽器の勉強をするのがおすすめである。
楽器によって演奏しやすい調もあるので、例えばバイオリンが響きやすい解放弦の調にしてみるなど、勉強したことは作曲において役に立つはずだ。
全ての楽器を習得することは非常に難しいし、時間もかかってしまうので、本で勉強するのでもよい。実際に少しだけ触ってみるのもよい。演奏しているのを見るのもよい。
これをこうするとこの音が出るんだ。それだけでも勉強になる。
私は楽器が好きで、色んなものを少しずつかじるのも好きで、また演奏しているのを見るのも好きである。 五感を活用して楽器を体感して、楽しさを感じてほしい。
そして、他の人と一緒に合わせてみるのも楽しい。 DTMをやるからこそ、生楽器の素晴らしさを改めて感じる。 楽器を演奏するプロの方々には、心からの敬意を表する。
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