トロンボーンの楽譜の読み方をマスターしよう!経験者が徹底解説します | 椿音楽教室

公開日:2022.11.03 更新日:2022.11.08

トロンボーンの楽譜の読み方をマスターしよう!経験者が徹底解説します

トロンボーンの楽譜の読み方をマスターしよう!経験者が徹底解説します

「トロンボーンを始めたけど楽譜の読み方が分からない」

 

「ヘ音記号って難しいの?」

 

「トロンボーンのポジションを知りたい」

 

トロンボーンはスライドを動かして演奏する金管楽器で、人間の声に一番近いと言われており、力強く豊かな音色が特徴です。

 

本記事では学生時代9年間トロンボーンを演奏していた私が、楽譜の読み方やポジションを徹底解説するとともに、早く楽譜が読めるようになるコツも紹介します。

 

トロンボーンを始めたばかりの人は必見です。

 

トロンボーンの楽譜を読むためにはヘ音記号を覚えよう

 

「ト音記号は聞いたことがあるけどヘ音記号って何?」という人もいるのではないでしょうか。

 

ヘ音記号は、ト音記号と同じように音の高さを決めるものです。

 

トロンボーンやユーフォニアム、チューバなどの中低音楽器の楽譜はヘ音記号で書かれているため、トロンボーンを演奏するにはヘ音記号を読めるようにならないといけません。

 

なぜヘ音記号と呼ぶのかというと、音階を日本語読みにした時に「ハニホヘトイロハ」の「へ」が基準音にあたるからです。

 

私たちが慣れ親しんでいる「ドレミファソラシド」はイタリア語読みで、日本語読みの「へ」はイタリア語読みの「ファ」と同じになります。

ヘ音記号の読み方

ちなみにト音記号は「ハニホヘトイロハ」の「ト」が基準音に当たり「ドレミファソラシド」の「ソ」と同じになるため、ト音記号と呼ばれています。

 

基本的な楽譜の読み方を理解しよう

 

楽譜を読むには音符・休符の長さと拍子についても知っておくと良いでしょう。

 

音符や休符の長さや拍子は、しっかり学ぶと数が多く非常に複雑なため、今回は基本的な読み方をピックアップして解説します。

 

詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。

 

【初心者必見】楽譜や音符・休符の読み方を徹底解説

 

音符・休符の長さ

音符の長さ

音符・休符は、長い順に全音符・休符から64分音符・休符までありますが、トロンボーンはスライドを動かして演奏するため、細かい音符が出てくる機会はほとんどありません。

 

トロンボーンの楽譜によく出てくる16分音符・休符までを、上記の表でしっかり覚えておきましょう。

 

拍子記号

 

拍子記号は、小節の長さを決めるものです。

 

楽譜は「小節」と呼ばれる縦棒で区切られており、拍子記号によって1小節の長さが変わります。

 

基本は4/4拍子で、1小節に対して4分音符が4個分を表しており、他にも3/4拍子や6/8拍子などがあり、それぞれ1小節に対して4分音符が3個分、8分音符が6個分になります。

 

トロンボーンの音階とポジションを徹底解説

トロンボーンの音階とポジションを徹底解説

トロンボーンの音階の読み方と、その音を出すポジションを解説します。

 

トロンボーンは全音、半音ともに7つのポジションで演奏できる点がポイント。

 

トランペットやユーフォニアムなどのピストン楽器や、フルートやクラリネットなどの木管楽器は、ポジションの数が多く覚えるだけで大変ですが、トロンボーンは少ないため他の楽器に比べると分かりやすいでしょう。

 

しかし、トロンボーンのポジションには「明確にここ!」という位置がありません。

 

他の管楽器はピストンやキーを押せば正しい音がでますが、トロンボーンはスライドを動かして演奏するため、少しの位置のズレが音のズレに繋がりやすいです。

 

大体の位置は決まっているため、下記の画像を参考にして正しい音程を確認しながら、最適なポジションを練習で掴んでいきましょう。

トロンボーンのポジション

全音階

全音階の読み方とポジション

オクターブ上の読み方とポジション

全音階はフラットやシャープなどがつかない音階で、ピアノの白鍵で出る音にあたります。

トロンボーンの一般的な楽譜は2オクターブで構成されている場合が多く、オクターブごとにポジションが異なるため、下記の表を参考に覚えるようにしてみてください。

 

半音階

半音階上の読み方とポジション

オクターブ上の読み方とポジション

半音階はフラットやシャープなどがつく音階で、ピアノの黒鍵で出る音にあたります。

 

半音階は全音階の間にある音のため、ポジションも全音階の間の場合がほとんどです。

 

トロンボーンの楽譜は「実音」で書かれている

 

トロンボーンの楽譜は、ピアノと同じ「実音」で書かれています。

 

楽譜の書き方は楽器によって異なり、例えば同じ「ド」を出そうとしても、トランペットは「B♭」ホルンは「F」 アルトサックスは「E♭」の音が出ます。

 

これは、楽器の大きさや特性によって出せる音程が異なるからです。

 

昔は、キーがB♭の曲はB♭の楽器でしか演奏できず、様々な調に合わせた楽器がたくさん作られていたため、実音ではなく楽器に合わせた楽譜を書かなければなりませんでした。

 

トランペットやホルン、アルトサックスなどは、楽譜に書かれている音と実際に出る音が違うことから「移調楽器」と呼ばれています。

 

一方トロンボーンは、スライドで全音階から半音階まで演奏できるため、他の楽器に持ち替える必要がなく、楽譜を書くことができます

 

トロンボーンは、楽譜に書かれている音を変換せずに演奏しましょう。

 

「ド」は「B♭」と「C」2パターンがある

 

トロンボーンの「ド」の読み方は「B♭」と「C」の2パターンがあります。

 

トロンボーンはB♭管の楽器のため「シ♭」が基準になり、ピアノと同じ読み方になりますが、人によって「B♭」を「ド」と読む場合があります。

 

どちらが正解というわけではないものの、トロンボーンを演奏する上でぜひ知識として覚えておくと良いでしょう。

 

「B♭」を「シ♭」と読む場合は「固定ド」

 

「B♭」を「シ♭」と読む場合は「固定ド」になります。

 

これはピアノの読み方を基準にしており、ピアノはト音記号、ヘ音記号どちらも「ド」は「ド」と読むため「B♭」は「シ♭」になります。

 

「B♭」を「ド」と読む場合は「移動ド」

 

「B♭」を「ド」と読む場合は「移動ド」になります。

 

「移動ド」は、他の移調楽器に合わせて読み方を変えたものです。

 

本来トロンボーンは実音で演奏できるため、読み方を変える必要はありませんが、習ったり勉強した環境によって異なる場合があります。

 

トロンボーンの楽譜は「ハ音記号」で書かれる場合もある

 

トロンボーンには、ヘ音記号以外にも「ハ音記号」と呼ばれるものがあります。

ハ音記号

ハ音記号は、ヘ音記号より少し高い音域を表すときに使用され「ハニホヘトイロハ」の「ハ」が「ド」に当たります。

 

吹奏楽ではほとんど使われませんが、オーケストラやソロの楽譜で出てくる場合があり、筆者がオーケストラに所属していたときは、ほとんどの楽譜がハ音記号で書かれていました。

 

ハ音記号には、アルト譜表とテノール譜表があるので見ていきましょう。

 

アルト譜表

アルト譜表

アルト譜表は、ハ音記号が五線譜の第3線に位置しており、主にアルトトロンボーンの楽譜に使用されます。

 

 

テノール譜表

テノール譜表

テノール譜表は、ハ音記号が五線譜の第4線に位置しており、主にオーケストラやソロの楽譜に使用されます。

 

アルト譜表より使用される頻度が高いです

 

楽譜を早く読めるようになるコツとは?

 

楽譜は練習を続けていくとだんだんと読めるようになりますが、早く読めるようになってたくさんの曲を演奏したいですよね。

 

楽譜を早く読めるようになるために、下記の2点のコツを押さえておきましょう。

 

  • とにかく量をこなす
  • 演奏する楽譜の音源を聴きながら練習する

 

1つずつ紹介します。

 

とにかく量をこなす

 

勉強や運動と同じように、とにかく量をこなしてたくさんの楽譜を読みましょう。

 

様々な楽譜に触れることで、音符の読み方やリズムが分かるようになったり、得意不得意などを把握できるようになったりします。

 

始めはトロンボーンの楽譜から読むようにし、慣れてきたら他の楽器の楽譜でも問題ありません。

 

最初は全く読めずに苦戦するかもしれませんが、根気強くこなしていけば必ず読めるようになるため、諦めずにチャレンジしてみてください。

 

演奏する楽譜の音源を聴きながら練習する

 

楽譜の音源を聴きながら練習する方法は、初心者におすすめです。

 

最初は理論的に楽譜を読むのは難しいため、演奏を聴きながらメロディーやリズムを覚えることで、体に染み込ませられるからです。

 

私もトロンボーンを始めたころは全く楽譜が読めなかったため、演奏を聴いたり歌いながら練習したりしていました。

 

歌いながら練習する際は「ドレミファソラシド」で歌うと、音符の読み方が早く覚えられますよ。

 

ただし、耳に頼りすぎると理論的に楽譜が読めなくなってしまうため、頭もしっかり使いながら練習するようにしてください。

 

まとめ

 

トロンボーンの楽譜はヘ音記号で書かれているため、読み方を覚える必要があります。

 

最初は難しく感じるかもしれませんが、根気強く続けていけば必ず読めるようになるため、本記事を参考にコツコツ練習していきましょう。

 

楽譜が読めるようになって演奏できるようになると「もっと上手くなりたい!」と考える人もいるかもしれません。

 

椿音楽教室にはトロンボーンコースがあり、国内外のコンクールでの受賞経験を持ち、現在もプロとして活躍している一流の講師陣によるマンツーマンレッスンを受けられます。

 

楽器の持ち方から曲の指導まで丁寧におこなってくれるため、初心者でも安心です。

 

60分の無料体験レッスンもおこなっているため、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

トロンボーンの楽譜に関するよくある質問

 

Q1:楽譜が早く読めるようになるコツはありますか?

 

2つあります。早く読めるようになるためのコツは下記の2つです。

 

  • とにかく量をこなす
  • 演奏する楽譜の音源を聴きながら練習する

 

Q2:ハ音記号について教えてください

 

ハ音記号は、ヘ音記号より少し高い音域を表すときに使用され「ハニホヘトイロハ」の「ハ」が「ド」に当たります。

 

吹奏楽ではほとんど使われませんが、オーケストラやソロの楽譜で出てくる場合があり、筆者がオーケストラに所属していたときは、ほとんどの楽譜がハ音記号で書かれていました。

 

Q3:ヘ音記号を読めるようになる必要はありますか?

 

必要です。トロンボーンやユーフォニアム、チューバなどの中低音楽器の楽譜はヘ音記号で書かれているため、トロンボーンを演奏するにはヘ音記号を読めるようにならないといけません。

この記事を監修した講師

藤嶋美玲

東京音楽大学を卒業後、渡仏。 2017年パリ地方音楽院上級課程を審査員満場一致の成績で卒業。 2019年同音楽院演奏家課程を審査員満場一致の成績で卒業。これまでにトロンボーンを岸良開城、ジャック・モージェの各氏に師事。 2017年レ・クレドール国際音楽コンクール第2位(フランス)、同年クレルモン=フェラントロンボーンコンクール第2位(フランス)。

楽器

トロンボーン

【藤嶋美玲先生監修コメント】

何事も初めは難しく感じるものですが、コツコツと続けていくと気付かない間に出来るようになっているものです。私は自分の生徒たちに固定ドの階名で歌いながらスライドの練習をするよう指導をしています。私自身もそうして練習をしてきましたし、音程や階名、スライドの位置を肉体的な疲労はなく練習出来ますのでおすすめです。

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